お役立ちコラム

電話相談の回答が誤りでも、税務署には責任なし!?

所得税の確定申告の際、ある税額控除の適用要件を全て教えてほしい旨、電話で税務署に伝え、その回答を得ました。 ところが、回答にのっとって申告したところ、要件の一部が漏れており、税額控除を受けることができませんでした。 税務署に責任は無いのでしょうか?

 国税当局の税務相談については、誤った回答を信頼して申告した結果、更正処分を受け、それに係る損害につき国家賠償を請求した事例が相当数あります。

 それらの裁判例では、請求が棄却される傾向にあり、「相談者は回答を一つの参考意見として受け止めるべきとするのが相当であり」、「税務相談に対する回答が誤ったものであった場合にも、国家賠償法一条一項の適用を基礎付けるに足りる職務上の法的義務の違反があるとはいえない」といったような旨の判示がされています。

 税務相談は税に関する情報提供、税に関する一般的な質問に答える納税者への行政サービスとして行われています。申告納税制度の下では、いかなる納税申告を行うかは納税義務者の判断と責任においてなされるべきものとなります。誤った申告とならないよう十分な注意を払い、正しく申告することを心掛けましょう。

<参考文献等>

森浩一(2011)「税務行政と国家賠償」,『税大ジャーナル』(第16号), pp.68-72.

https://www.nta.go.jp/ntc/kenkyu/backnumber/journal/16/pdf/03.pdf

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