お役立ちコラム

仕掛品として計上した人件費の外形標準課税での取り扱い

この度決算において人件費の一部を仕掛品として計上することとなりました。弊社は外形標準課税が適応される会社なのですが、外形標準課税における報酬給与額は、法人税の所得の計算上、損金の額に算入される事業年度の報酬給与額に算入するという認識を有しています。今回のように仕掛品として計上した場合は、当期の法人税法上の損金となりません。したがって、当該人件費は外形標準課税の対象となる報酬給与額から除外してよろしいでしょうか。

今回のように仕掛品として計上し、当期の法人税法上損金に算入されない場合においても外形標準課税の報酬給与額の計算に含める必要がございます。

ご認識の通り報酬給与額は原則として、法人税の所得の計算上損金の額に算入される事業年度の報酬給与額に算入すると定められております。

 しかし例外的として、当該人件費が仕掛品として計上する場合等の棚卸資産等に係るものに該当する場合においては、その支出される事業年度の報酬給与額に算入すると定められています。

 したがって、仕掛品として計上した部分の人件費に関して法人税法上は当期の損金となりませんが、報酬給与額に含める必要がありますのでご注意ください。

<参考文献等>

地方税法72の15① http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO226.html

地方税法施行令20の2② http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25SE245.html

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