お役立ちコラム

法定調書における前払家賃の記載について

当社は個人の家主と家賃を前月の末日までに支払う旨を定めた建物賃貸借契約を締結しています。 今回建物の賃借を7月から開始しました。この場合、「不動産の使用料等の支払調書」の「支払金額」欄には7月分から12月分の家賃に相当する半年分の支払金額を記載すればいいのでしょうか?

今回の場合は、半年分ではなく、支払うべき金額である7月分から翌年1月分の7か月分の家賃に相当する金額を「支払金額」欄に記載します。

「不動産の使用料等の支払調書」の支払金額は、所得税法施行規則第90条第1項第2号において「その年中に支払の確定した対価の金額」と規定されています。ここでいう「確定した対価の金額」とは、原則として、相手方にその支払を請求し得ることとなった金額をいうものと解されています。

したがって、今回の場合は、その年中に支払うべきことが確定している対価の金額は、7月分から翌年1月分の7か月分の家賃の金額となり、その7か月分の家賃に相当する金額を「支払金額」欄に記載することとなります。

 

<参考文献等>

国税庁HP 前払家賃の記載方法

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hotei/4/03.htm

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