お役立ちコラム

不動産の仲介あっせん報酬の帰属の時期

当社は土地・建物の売買の仲介をしたことによる報酬を受け取りましたが、その報酬の額はどの時点で益金の額に算入すればよろしいでしょうか?

仲介に係る売買等の取引当事者間で契約が成立すれば、それによりその仲介に係る役務提供が完了し、手数料等の請求権が確定することになるので、その時点で収益計上することが原則と言えるでしょう。ただ、中小の不動産業者の場合には登記段階で報酬の値引きを要求されることも珍しくないことから、現実の報酬の支払いは取引当事者間において代金授受が完了し、所有権移転登記が行われる時点で行われるのが実情です。

こうした実情を勘案し、法人が継続してその売買契約に係る取引の終了時点で報酬の額につき収益計上することとしているときは、税務上もこれを認めることとしています。

<参考文献等>

法人税法税基本通達2-1-11

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/02/02_01_02.htm

関連コラム

収益認識基準が2022年3月より強制適用に!!
収益認識基準が2022年3月より強制適用に!!「収益認識に関する会計基準」が、大会社・上場会社において2021 年4月1 日以後開始する事業年度の期首から強制適用になります。(中小企業の適用は任意です)当該の収益認識基準に沿って会計処理を行…
令和4年度税制改正のポイント(グループ通算制度以外の法人課税)
【令和4年度税制改正のポイント】今回は、令和4年度税制改正のポイントの中で、グループ通算制度以外の法人課税に特化して次に掲げる項目について、みていきたいと思います。※グループ通算制度については、別途掲載を予定しています。 1-1.賃上げ促進…
収益認識に関する会計基準と工事契約
業会計基準委員会から、平成30年3月に『収益認識に関する会計基準』が公表され、令和3年4月1日以後開始する事業年度より強制適用となります。以前に、『収益認識に関する会計基準』によって収益認識がどのように構成されていくのかについてまとめました…
電子取引を電子データ保存する義務化は2年猶予で遠のいたか?
電子取引義務化は遠のいたのか?令和4年度(2022年度)税制改正大綱で2年間の猶予が決まる!電子取引を電子データとして保存する義務に向かっていたが・・・経理のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の現場において、今年は夏場から令和4…
法人税とは?対象となる法人や税率などの基礎知識を解説!
法人税とは?課税される法人の範囲法人税は、法人の事業によって得られた所得に対して課される税金です。法人と一言でいっても、法人の種類は様々で、法人の目的や特性により、法人税が課される法人と課されない法人に区分されます。法人税法における法人の区…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。