お役立ちコラム

債務確定基準について

法人税法上、費用は債務が確定していなければ損金にならないとのことですが、どういうことなのでしょうか。

 費用は収益と個別的な対応関係が図りにくく、期間対応の費用とされています。しかし、法人税法では、恣意性排除及び課税の公平性の確保する必要があるため、償却費を除き、債務確定基準を採用しています。つまり、企業会計では期間損益計算を適正に行うため、将来発生することが見込まれる費用を見積計上することが認められておりますが、法人税法では、別段の定めがあるものを除き、損金の額に算入されません。

 なお、債務確定基準とは、以下の要件の全てに該当するものとされています。

(1)その事業年度終了の日までにその費用に係る債務が成立していること

(2)その事業年度終了の日までにその債務に基づいて具体的な給付原因となる事実が発生していること

(3)その事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができること

参考URL 国税庁HP 法人税法基本通達 2-2-12 債務の確定の判定

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/02/02_02_02.htm 

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