お役立ちコラム

連結財務諸表提出会社の個別財務諸表開示簡素化(特例財務諸表)について

弊社は連結財務諸表を作成しております。有価証券報告書における個別財務諸表の開示が簡素化されると聞いたのですがどういうことでしょうか。

連結財務諸表を提出している会計監査人設置会社(以下、「特例財務諸表提出会社」といいます)に関して平成26年3月期の有報開示から選択可能となります。

なお、特例財務諸表提出会社に該当する旨と財務諸表等規則127条(特例財務諸表提出会社の財務諸表の作成基準)にしたがって財務諸表を作成している旨を注記することが必要です。主な概要は以下のようになります。

(1)単体開示の簡素化(会社計算規則に合わせた開示)

貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、有形固定資産等明細表、引当金明細表については会社法の要求水準に合わせるため、新たな様式を規定するとともに、開示水準が大きく異ならない特定の項目に関する注記(会計方針の注記、表示方法の変更の注記、見積りの変更に関する注記、担保資産の注記、偶発債務の注記等)については、会社計算規則による注記で代用することができることとされました。

(2)連結財務諸表で十分な開示がなされている場合の単体開示の免除

例えば以下のような項目(全てを列挙しておりません)

リース取引に関する注記、資産除去債務に関する注記、資産科目から直接控除している引当金や減価償却累計額の注記、一株当たり純資産・当期純利益の注記、研究開発費の総額の注記、減損損失の注記、自己株式に関する注記、・・・・・

(3)数値基準(別掲基準)の引き上げ

貸借対照表の別掲基準を1/100から5/100に引き上げる等の改正がなされました

(4)有価証券明細表の作成免除(別記事業会社を除くとされています)

(5)配当制限注記の削除

「第4提出会社の状況」の中の配当政策の中で開示することとされました。

(6)合併消滅会社の最終事業年度の財務諸表の開示が不要となりました。

なお、この特例財務諸表提出会社の選択をした場合は表示方法の変更に該当しますが、それによる影響額の注記は不要とされました。

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