お役立ちコラム

令和6年11月から「フリーランス」が労災保険の「特別加入」の対象となります

令和6年11月からフリーランスの方も労災保険に特別加入できるようになりましたのでポイントをお伝えいたします。

労災保険は、労働者が仕事または通勤によって被った災害に対して補償する制度です。よって労働者以外の方は原則として労災保険に加入することができません。

ですが、一定の要件を満たす場合には任意加入でき、補償を受けることができます。これを「特別加入制度」といいます。

31046934_s.jpg


<重要>

まずは契約形式に係わらず、実態として労働者に該当するかどうかをご確認ください。労働者に該当する場合は労災保険が適用されるため、それにより補償を受けることができ、特別加入は不要となります。

労働基準法における「労働者」とは
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/index02.html


1.特別加入のメリット


仕事中や通勤中のケガ、病気、障害または死亡等に対して、補償を受けることができるようになります。例えば、治療費・薬代が無料であったり、仕事に行けない休業期間の給付等があり、手厚い補償が受けられます。

2.保険料


下表のとおりです。給付基礎日額を10,000円とすれば、年間保険料は10,950円となります。

f1.png

3.給付金額


例えば、給付基礎日額を10,000円とし、20日間休業した場合は、

①休業(補償)等給付 1万円 × 60% × (20-3日) =102千円

②休業特別支給金   1万円 × 20% × (20-3日) = 34千円

合計136千円となります。

※待機期間3日を除き、休業4日目以降、 休業1日につき①と②を合わせて給付基礎日額の80%相当額を支給。

4.対象


「フリーランス(特定受託事業者※1)が企業等(業務委託事業者※2)から業務委託を受けて行う事業(特定受託事業)」または「フリーランスが消費者(業務委託事業者以外の者)から委託を受けて行う特定受託事業と同種の事業」(他に特別加入可能な事業または作業を除く)が対象となります。

(※1)特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化 等法)に規定する、業務委託の相手方である事業者であって、従業員を使用しないもの

(※2)業務委託を行う事業者

今回の対象業務について、このお役立ちコラムでは「特定フリーランス事業」と言います。

5.特別加入の対象となる事業


f2.png

6.加入手続き・保険給付手続きの流れf3.png


f4.png

【参考】

公正取引委員会フリーランス法特設サイト
https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/

令和6年11月から「フリーランス」が労災保険の「特別加入」の対象となりますhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/kanyu_r3.4.1_00010.html

連合フリーランス労災保険センター
https://jtuc-freelance-rousai.org/


★お役立ち情報満載のCSアカウンティングYoutubeはこちら

★定期的に情報を発信しているCSアカウンティングのX(旧Twitter)はこちら

CSアカウンティングの人事・労務・社会保険サービスは、勤怠管理・給与計算・社会保険を一元化することにより、本来従事すべきコア業務へのシフトをお手伝いいたします。

また、アウトソーシングによるコスト削減のみならず、社会保険労務士などの経験豊富な専門家がお客様のよき相談相手となり、人事・労務に関する問題をスピーディーに解決します。

ご相談はこちら⇒https://business.form-mailer.jp/fms/c543034e81511

(執筆者:坂田)

関連コラム

複数事業労働者への労災保険給付について
「労災保険」は、労働者が業務や通勤が原因で、けがや病気等になったときや死亡したときに、治療費や休業補償など、必要な保険給付を行う制度です。これまでは、複数の会社で働いている労働者の方について、働いているすべての会社の賃金額を基に保険給付が行…
精神障害の労災認定基準が改正されました。
心理的負荷による精神障害の労災認定基準について、「心理的負荷による精神障害の認定基準」が改正され、令和5年9月1日に付で通知がされました。本コラムでは、改正に関するポイントについてまとめました。認定基準の改正を機に、改めて従業員の心理的負荷…
傷病手当金に関する7つの質問に答えます!
怪我や病気になって働くことが出来なくなったらどうしよう…そんな時役立つのが【傷病手当金】です。傷病手当金について様々な事項をご説明します!傷病手当金とは?傷病手当に関する7つの質問入社1年未満でも傷病手当金はもらえる?傷病手当金と労災は同時…
雇用保険料率の引き上げについて
令和5年4月1日から労働者負担分・事業主負担分ともに雇用保険料率が上がります。労働者負担分が変更となっておりますので、給与計算時に料率の変更を忘れないようにご注意ください。令和5年4月1日から令和6年3月31日までの雇用保険料率は以下のとお…
高齢者、学生、パートなどさまざまな雇用保険の加入手続きについて
人事の皆様は雇用保険加入手続きを日頃より行われている事かと思いますが、雇用保険の加入基準を正しく理解されていますでしょうか? 学生アルバイトの雇用、65歳以上の高齢者を雇用、又は外国人を雇用等、昨今の人出不足と相まって多様な人材を雇用す…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。