お役立ちコラム

扶養親族の副業収入について

控除対象配偶者の妻が給与収入95万円、副業での収入(雑所得)が10万円あります。雑所得のため確定申告はしていなかったのですが、源泉徴収税の還付を受けるため確定申告をしようとしています。何か注意することはあるでしょうか?

奥様が控除対象配偶者から外れる可能性があり、相談者が追徴課税される場合があります。

 

相談内容によると、通常は給与収入95万円(=給与所得30万円)で申告をし、雑所得の分は少額のため申告をしていない、という状態かと思います。

確かに20万円未満の雑所得は確定申告しなくてもよいことになっていますので、奥様の年間所得は給与所得35万円で確定しています。

雑所得の種類や申告の内容にもよりますが、特に必要経費の無い雑所得だった場合、奥様の所得額は35万円+10万円=40万円となり、控除対象配偶者ではなくなってしまいます。

そうした場合、相談者の扶養控除額が下がり、年税額が増額となる可能性があります。

 

他にも家族手当などが支給されている場合、税法上の扶養親族の人数を基に金額を決定していることもあるかと思います。それらを考慮した場合、結果として世帯全体での収入額が下がってしまうこともあり得るでしょう。

これらを総合的に考慮したうえで、確定申告をするのか、奥様とよく話し合われることがよろしいかと思います。

 

 

 (掲載日:2017年8月3日)

関連コラム

固定残業代を構成する手当について
固定残業代を構成する手当を確認する前に割増賃金の基礎となる賃金について確認したいと思います。割増賃金の基礎となる賃金割増賃金の基礎となるのは、所定労働時間の労働に対して支払われる「1時間当たりの賃金」となります。例えば月給制の場合、各種手当…
令和7年度地域別最低賃金額改定について
先日開催された第71回中央最低賃金審議会で、今年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申が取りまとめられました。【答申のポイント】(ランクごとの目安)各都道府県の引上げ額の目安については、Aランク63円、Bランク63円、Cランク64円。注…
【厚生年金保険】標準報酬月額の上限が2027年9月から段階的に引き上がります
令和7年6月13日に、年金制度改正法が成立しました。その中で、厚生年金等の標準報酬月額の上限について、段階的な引上げが決定されましたので、今後の見込みを立てると良いでしょう。(2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9…
扶養控除等の見直しについて(令和7年度税制改正の見込み)
令和6年10月から、児童手当について所得制限が撤廃されるとともに、支給期間については高校生年代まで延長され、また第3子以降が増額されています。所得制限の撤廃および支給期間の延長に伴って、16歳から18歳までの扶養控除について、15歳以下との…
年末調整時に提出する申告書が一部簡素化されます
2024年も残すところ3か月ほどとなり、今年も年末調整の時期がやって参ります。今回の年末調整から、下記2種類の申告書が簡素化されることとなりました。①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(令和7年分~)②給与所得者の保険料控除申告書この2種…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。