お役立ちコラム

整理解雇の要件について

会社が経営悪化により、人員整理を行うこととなりました。どのような点に留意する必要がありますでしょうか?

人員整理を行うための解雇については、次の4点をいずれも満たすことが必要となります。(整理解雇の4要件)

① 経営上の人員削減の必要があること
企業財政状況に問題がない場合や、人員整理後新規採用を行うなど、明らかに矛盾することがあれば、人員削減の必要性が否定されることになります。

② 解雇を回避するために最大限の努力を行ったこと
退職勧奨を実施した後に整理解雇を行ったほうが解雇回避努力を尽くしたものとされやすく、いきなり整理解雇の手段に出た場合は、解雇権の濫用とされる可能性があります。

③ 解雇の対象となる人選の基準、運用が合理的に行われていること
一般的には労働者の経済生活保護のために生活に与える打撃の少ない者からの整理解雇をしたほうが合理的とされていますが、そのまま適用すれば企業の再建にとって不可欠の人材も対象となってしまうため、使用者の最低限の裁量権として人材を選択する余地も残されています。

④ 労使間で十分に協議を行ったこと
労働者側と事前に説明・協議を誠実に実施したことなどが必要です。

関連コラム

障害者の法定雇用率 段階的な引き上げ決定
障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられます。(令和6年4月以降)目次障害者の法定雇用率の段階的引き上げ常用雇用労働者、障害者のカウント方法除外率の引き下げ障害者雇用のための事業主支援1.障害者の法定雇用率の段階的引き上げ民間企業の法定雇用…
治療と仕事の両立支援を考えましょう
【会社が治療と仕事の両立支援を行う意義】「治療と仕事の両立支援」とは、病気を抱えながらも働く意欲・能力のある労働者が、仕事を理由として治療機会を逃すことなく、また、治療の必要性を理由として職業生活の継続を妨げられることなく、適切な治療を受け…
SDGs達成のために人事部門が取り組むべき施策とは?
ここ数年、ニュースなどで大々的に取り上げられることが多いSDGs、企業経営の中では避けては通れないテーマとなっています。その中で、人事労務担当者として自社のSDGsについて取り組む場合、具体的にどのように進めていけば良いでしょうか。17ある…
男女の賃金差異の公表が義務化されます!
令和4年7月8日に女性活躍推進法に関する制度改正がされ、情報公表項目に「男女の賃金の差異」を追加するともに、常時雇用する労働者が301人以上の一般事業主に対して、当該項目の公表が義務づけられることとなりました。【法改正の背景】日本における男…
社内だけでは済まされない!社外関係者とのハラスメント対策について
2019年5月、改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が成立しました。改正法は、大企業では2020年6月、中小企業では2022年4月から施行されています。パワハラ防止法において事業主に求められていることは、自社の雇用する労働者間にお…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。