お役立ちコラム

社員の休職満了に伴う労働契約の解消をする際の注意点は?

社員が私傷病のため、長期間休職扱いとなっています。この度、会社の就業規則に定める休職期間が満了するため、回復の見込みがないとして、この社員の労働契約を終了させる見込みですが、この場合の注意点等がありますか?

休職に関する規定は、労働基準法において、特段の定めはありません。したがって、私傷病により長く休職する社員の取り扱いについては、信義則に反しない範囲で、会社の方針に基づいて就業規則で独自に規定することができます。

復職についてのポイントは、「治癒」したか否かです。最高裁の考え方では、必ずしも元の業務ができるかどうかまでは要せず、労務提供の可能性があれば「治癒」と認められます。ただし、職種や業務内容によっては、限定的に判断される場合もあります。

社員が職場復帰を希望する場合、治癒したかどうかの立証責任(例えば、医師の診断書などを会社に提示する)はその社員にあり、会社は労働者側から提示された材料(疑義がある場合は、自ら産業医に確認する場合もあり)によって、最終的に復職させるか否かの判断を行います。

従って、最終的に決定するのは「会社」であるということが原則で、そこで、労使間に見解の齟齬があった場合は労働紛争となり、最終的に裁判所の判断を仰ぐことにまで発展する場合もあります。

そのため、まず、会社は医師の診断書のみならず、本人への復職前のヒアリング、復職後の受け入れ態勢など総合的に判断した上で最終的な決定を行うよう、くれぐれもご注意ください。

 

関連コラム

障害者の法定雇用率 段階的な引き上げ決定
障害者の法定雇用率が段階的に引き上げられます。(令和6年4月以降)目次障害者の法定雇用率の段階的引き上げ常用雇用労働者、障害者のカウント方法除外率の引き下げ障害者雇用のための事業主支援1.障害者の法定雇用率の段階的引き上げ民間企業の法定雇用…
治療と仕事の両立支援を考えましょう
【会社が治療と仕事の両立支援を行う意義】「治療と仕事の両立支援」とは、病気を抱えながらも働く意欲・能力のある労働者が、仕事を理由として治療機会を逃すことなく、また、治療の必要性を理由として職業生活の継続を妨げられることなく、適切な治療を受け…
SDGs達成のために人事部門が取り組むべき施策とは?
ここ数年、ニュースなどで大々的に取り上げられることが多いSDGs、企業経営の中では避けては通れないテーマとなっています。その中で、人事労務担当者として自社のSDGsについて取り組む場合、具体的にどのように進めていけば良いでしょうか。17ある…
男女の賃金差異の公表が義務化されます!
令和4年7月8日に女性活躍推進法に関する制度改正がされ、情報公表項目に「男女の賃金の差異」を追加するともに、常時雇用する労働者が301人以上の一般事業主に対して、当該項目の公表が義務づけられることとなりました。【法改正の背景】日本における男…
社内だけでは済まされない!社外関係者とのハラスメント対策について
2019年5月、改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が成立しました。改正法は、大企業では2020年6月、中小企業では2022年4月から施行されています。パワハラ防止法において事業主に求められていることは、自社の雇用する労働者間にお…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。