お役立ちコラム

仮眠時間は労働時間にあたりますか?

ビルの管理会社に勤める従業員は、ビルの管理業務に従事していました。勤務時間は、午前9時から翌日9時までの24時間連続勤務であり、仮眠時間が8時間与えられていました。従業員は、仮眠中に、警報・電話・呼び鈴が鳴ったときは、必要な対応を行うことを指示されていました。会社は、これらの対応作業を行った時間は労働時間として扱い賃金を支払っていたが、それ以外の仮眠時間は労働時間として扱わず、賃金を支払っていなかった。仮眠時間についても労働時間に該当し、賃金を支払う義務はないのでしょうか?

仮眠時間が労働基準法上の労働時間にあたるかどうかについては、その時間が使用者の指揮命令下に置かれている時間か否かによって判断されます。

仮眠時間中の業務が皆無に等しく、常に労働からの解放が保障されているのであれば、その時間は使用者の指揮命令下に置かれている時間とはいえないので、労働時間にあたりませんが、このケースについては、従業員は、仮眠時間中に仮眠室にいること、警報・電話・呼び鈴が鳴ったら相当の対応をすることを、指示されています。よって、労働からの解放が保障された状態とはいえません。従って、現実に対応作業を行った時間のみならず、仮眠時間8時間全体が実労働時間となります。

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