お役立ちコラム

年の中途で主たる給与の支払者になった際の給与の集計方法は?

今年度の途中で乙欄適用から甲欄適用になった場合、どの範囲まで年末調整の対象となる給与として扱うべきでしょうか?

今年度の途中で扶養控除等申告書の提出先が変更となったことにより、「従たる給与の支払者」(乙欄適用)から「主たる給与の支払者」(甲欄適用)になり、年末調整の時点において「主たる給与の支払者」である場合には、それまでに支給した給与については、甲欄適用後の給与だけでなく、変更前に支給していた乙欄適用の給与も年末調整の対象となる給与に含む必要があります。

 たとえば、X社が10月の給与支払まで「主たる給与の支払者」、Y社が11月から「主たる給与の支払者」に変更となった場合、Y社で年末調整をする際の年間の給与については次の(1)~(3)の合計です。

 (1)X社の1月~10月までの給与(甲欄適用)

 (2)Y社の1月~10月までの給与(乙欄適用)

 (3)Y社の11月及び12月の給与(甲欄適用)

   ※X社での11・12月給与については年末調整の対象とはなりませんので、別途確定申告が必要です。

また、X社、Y社が作成する給与所得の源泉徴収票はそれぞれ次のようになります。

X社:

1月から10月までの分と11・12月分を別々に作成し、それぞれの「摘要」欄に「主たる給与等の支払者」でなくなった旨及びその年月日を記載します。

Y社:

年の中途で就職する前に他の支払者から受けた給与等を通算して年末調整を行う場合に準じて、「摘要」欄に1月から10月までにX社が支払った給与の総額、源泉徴収税額、給与から控除した社会保険料の金額、X社の所在地、名称及びX社が「主たる給与の支払者」でなくなった年月日を記載します。

関連コラム

雇用保険料率の引き上げについて
令和5年4月1日から労働者負担分・事業主負担分ともに雇用保険料率が上がります。労働者負担分が変更となっておりますので、給与計算時に料率の変更を忘れないようにご注意ください。令和5年4月1日から令和6年3月31日までの雇用保険料率は以下のとお…
4月1日から中小企業も月60時間超残業の割増賃金率が50%になります!
長時間労働の抑制のため、大企業は月60時間超の残業代割増率が引き上げられていました。中小企業に対しては適用が猶予されていましたが、2023年4月からは中小企業にも適用されることになります。つまり、中小企業でも月60時間超の残業に対しては25…
令和5年1月からの国外居住親族に係る扶養控除改正点について
扶養控除、年末調整に関連する法改正が令和5年より施行されています。その中の大きな改正点として、国外居住親族に係る扶養控除の適用を受けるケースに関するものがあります。自身の会社に外国人従業員がいる場合には、母国の親族を扶養親族としているケース…
給与のデジタル払い解禁に備えて会社に必要な準備とは?
厚生労働省は令和4年11月28日、給与のデジタル払い(資金移動業者の口座への賃金支払い)を可能とする「労働基準法施行規則の一部を改正する省令」を公布しました。 給与の振込先が拡大されるのは25年ぶりで、企業は、労使協定を締結したうえで労働者…
【法改正】育児休業中の社会保険料免除制度が変わりました
10月から育児休業中の社会保険料免除制度が変わりました2022年10月から出生時育児休業(産後パパ育休)、育児休業の分割取得など、育児に関する制度が大きく変わりました。こちらに伴い、休業中の社会保険料の免除制度も変わったことはご存知でしょう…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。