お役立ちコラム

投資の視点での令和8年度税制改正大綱

はじめに


今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、投資の視点での令和8年度税制改正大綱についてです。

NISA制度やiDeCoといった投資に関する税制優遇制度の創設、老後への不安などから、投資への注目は高まってきていると思います。

令和8年度税制改正大綱についても投資に関連する税制改正の内容が記述されておりますので、今回はその中からNISAの拡充と暗号資産に関する改正について確認していきます。

33383378_s.jpg

NISAの拡充



1.NISAについて


令和5年度税制改正の目玉の一つとしてNISA制度の抜本的拡充・恒久化が公表され、2024年より新たなNISA(以下新NISA)がスタートしてから2年以上が経過しました。

NISAとは少額投資非課税制度の愛称です。

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかりますが、購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり税金がかからなくなる制度です。


2.対象年齢


新NISAの対象年齢に関しては18歳以上となっており、これはそれ以前からあった一般NISAやつみたてNISA等も同様でした。

一方でジュニアNISAと呼ばれる18歳未満を対象とした少額投資非課税制度も存在していましたが、令和5年で制度が終了してしまいました。

ジュニアNISAに関しては18歳以上でなければ原則として払出しが出来ないなど使い勝手があまり良くなかったことも終了の理由として考えられます。


3.令和8年度税制改正大綱NISAの対象年齢


令和8年度税制改正大綱では次世代の資産形成を支援する観点から、金融経済教育をさらに充実することと併せて、つみたて投資枠の対象年齢を0歳まで拡充することとしました。

ここで「つみたて投資枠」という言葉が出てきました。新NISAにおいては投資枠に「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの枠がありますので簡単に表でまとめておきます。

つみたて投資枠

成長投資枠          

投資上限額

年間120万円

年間240万円

生涯非課税限度額 

成長投資枠と合わせて1,800万円

1,200万円

非課税保有期間

無期限


4.制限について


つみたて投資枠の対象年齢を0歳まで拡充することとされましたが、格差の固定化につながらないように配慮しつつ、長期・安定的な投資を通じて、大学進学等、成人後のライフイベントに伴う必要資金を備えられるよう、口座保有者である子が0~17歳の間については年間投資枠は60万円(月換算で5万円)、非課税保有限度額は600万円までとされました。

また子の年齢が12歳以降、子の同意を得た場合のみ、親権者等による払出しを可能とし、子の年齢が18歳に達した際、年間投資枠等について、18歳以上向けの制度へ移行するものとされました。

暗号資産の改正



1.現状の扱い


現状ビットコイン等のいわゆる仮想通貨によって得られた利益に関しては雑所得として総合課税されることとなります。他の所得と合算した上で超過累進税率により最大45%、住民税を含めると55%の税率が掛かることとなっています。

また株の売買の場合、他の証券口座の損失を別の証券口座の利益と相殺する損益通算について、相殺しきれず残ってしまった損失を翌年から3年間繰り越す繰越控除が出来ますが、仮想通貨についてはそれも出来ません。


2.令和8年度税制改正大綱における改正


暗号資産については令和8年度税制改正大綱により、投資家保護のための説明義務をはじめとする健全な取引環境の構築に向けた法整備等への対応を前提に、国民の資産形成に資する暗号資産に限って、その現物取引、デリバティブ取引及びETFから生じる所得を分離課税の対象とすることとし、また国民が安心して暗号資産市場に参加できる環境の構築を図る観点から、3年間の繰越控除制度を創設することとされた。

現状

令和8年度税制改正大綱

課税方法

総合課税(最大55%) 

分離課税(20.315%) 

3年間の繰越控除 

なし

あり

おわりに


今回は令和8年度税制改正大綱における改正内容について、特に投資に焦点を当てて確認しました。

NISAに関しては、新設される0歳からの枠については基本的に子の親がその資金を拠出する事になると思われますが、親は親で2人だと3,600万円(1,800万円×2人)の生涯投資枠を有し、かつ子の600万円の枠と異なり払戻しに制約がありません。すなわち払戻しに制約が無い3,600万円の枠がより優先度が高くなり、そこが埋まる見込みがあるのであれば600万円の枠もとなるのかと思いますが、どこまで活用されることになるのかは注目していきたいと思っています。

一方で暗号資産に関しては特に総合課税が分離課税になるというのは税負担の軽減が大きくなる可能性もありますが、分離課税の税率も上げるという話が出たり消えたりしているのでその点も注視しておく必要があるかと思います。

そして投資はあくまで自己責任という点も忘れないようにしてください。

経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムをお読みいただきありがとうございます。次回のコラムでまたお会いしましょう。

執筆者:笠井


★お役立ち情報満載のCSアカウンティングYoutubeはこちら

★定期的に情報を発信しているCSアカウンティングのX(旧Twitter)はこちら

ご相談はこちら⇒https://business.form-mailer.jp/fms/c543034e81511

関連コラム

会社員でも還付金が戻る!知って得する「確定申告の義務がない人」のための還付申告
【はじめに】今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、会社員でも還付金が戻る!知って得する「確定申告の義務がない人」のための還付申告についてです。会社員として働いている方の多くは、毎月の給与から所得税…
フリーランス必見!青色申告と白色申告、徹底比較と切り替えのメリット
【はじめに】今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、フリーランス必見!青色申告と白色申告、徹底比較と切り替えのメリットについてです。個人事業主やフリーランスとして働く上で、避けて通れないのが確定申告で…
賢く節税!個人事業主が知っておくべき、経費にできるもの・できないもの
【はじめに】今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、賢く節税!個人事業主が知っておくべき、経費にできるもの・できないものについてです。個人事業主にとって、確定申告は避けて通れない業務です。特に、日々の…
副業収入の確定申告
【はじめに】今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、副業収入の確定申告です。近年、働き方の多様化により、副業を持つ人が増加しています。しかし、会社員として年末調整を受けている方にとって、副業収入がある…
令和7年税制改正大綱所得税基礎控除や給与所得控除の見直し
はじめに 今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、令和7年税制改正大綱所得税基礎控除や給与所得控除の見直しについてです。令和6年12月に令和7年度の税制改正大綱が発表されました。今回はその中で個人所得…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。