お役立ちコラム

経理業務の標準化 ~ファイリング・整理整頓のススメ~

探す時間を極限まで減らすという観点

整理整頓出来る会社は強い


メーカーなどでは、整理整頓をしている会社ほど業績が良いということが言われています。M&Aをしたら優先的に実施するのは、工場の整理整頓だという名経営者の方もいらっしゃいます。

断捨離ブームもありましたよね。整理整頓をしたら、金運に恵まれたり、心がリラックスできたりといいことが多くなったという人もいるようです。

経理部門の標準化においても整理整頓は重要なテーマの一つです。

ファイリングは統一することで効果を発揮する


整理整頓の中でも中心になるのはファイリングです。ペーパーレス化を進めている会社もいますが、ここでは紙のファイリングについて考えてみましょう。

ファイリングは単純に書類を綴じておけばいいのではなく、一定のルールに従って、統一された方法で行っていることで効果を発揮します。

それでは、ファイリングの方法を社内で統一すると、どんないいことがあるのでしょう。

    aoten.jpg  資料を探す手間が極端に減る

    aoten.jpg  前回行った処理はファイリングを見ればすぐに分かるので、マニュアル代わりになる

    aoten.jpg  担当者が変わっても、少なくとも前回ファイリングした通りに作業を実施すれば、作業の継続性が維持される

などなど挙げたらキリがない程、そのメリットは多いのです。

資料を探す手間というのは、短いようでかなりかかっているのです。

さらに、整理整頓がされていないために、処理を忘れてしまったケースも現場で遭遇したことがあります。

例えば、支払いをすべきものを忘れてしまったケース、納付書を引き出しに入れっぱなしになっていたために納税をするのを忘れてしまったケースなどがそれです。

前者のケースですと取引先から信頼を失うことになるでしょうし、後者のケースですと、ペナルティとして加算税や延滞税がかかることになり会社に実害を与えてしまうことになります。

周りの人を見てみて下さい。仕事の出来る人はきれいに資料整理がされていて、ファイリングをきれいにしている人が多いと思います。

決算関係のファイリングは即効性が高い


それでは、ここでは、決算時のファイリングを例にとって考えてみましょう。

決算関係のファイリングですが、概ね次のような流れで行います。

表紙の次に、決算スケジュールがあり、その後に決算書を綴じます。決算書の後には、各勘定科目の基礎資料を打ち出してファイルします。

また、各勘定科目に所定のナンバリングを付して、各資料間の相互参照がしやすいようにしておくと便利です。ここで付す番号のことをリファレンス番号と呼んでいます。

さらに、打ち出した資料にあたっての留意点ですが、打ち出した書類のフッターに「打ち出し日」、Excel等のソフトデータであれば「ファイル名」、「ファイルの格納フォルダ名称」を打ち出しておいた方が、良いです。

こうすることで、最後に作業した日付が分かったり、どこに格納しているファイルで作業をしたのかがわかったりしますので、作業効率があがります。

決算ファイルは決算をした時点では、記憶が鮮明なので、特にファイリングがしていなくても困ることはないのですが、1年後に決算を行うときには記憶が薄れていて何をしたのかが分からなくなっている場合もあります。決算のファイリングがあれば、少なくとも前回と同じ手順で同じ資料を作ったり、集めたりすれば決算が完了します。

また、ファイリングをしていくことで、どの程度作業が進んでいるのかということもファイリングの厚みで「見える化」していくので、進捗状況を確認することが出来ます。

さらに、担当者を変更する場合でもファイリングされた資料を見てもらえれば、どのような作業をいつしたのかが分かるので、引継のツールとしても使えるのです。

翌年担当した人は、新たに変更がされた会計や税務の制度を中心に対応すればよくなり、引継の負担も大きくはないのです。


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