お役立ちコラム
経理業務の標準化~業務分析リストの作成~
経理業務の標準化シリーズ -業務分析リストの作成-
業務分析リストで弱点をあぶり出す
ギャップの認識がスタートライン!
経理の標準化・合理化を進めるときのひとつの方法として、自社の分析をするという方法があります。
企業戦略の策定においても、様々なフレームワークを使って自社分析をすることがあると思います。
SWOT分析などは自社分析で良く使われる手法の一つです。
経理部門の改革についても自社分析することの重要性は変わりません。
5ステップでリスト化の効果を出そう!
自社分析を行う場合の流れは、次の通りです。
Step1 :業務の現状を書き出す
Step2 :業務を行う場合の理想の姿と現実とのギャップを理解する
Step3 :現在のやり方の課題を抽出する
Step4 :アクションプランを策定する
Step5 :アクションプランを実行し、その後検証をはかる
Step1のフェーズでは、まず経理業務の出来るだけ細分化します。
そして、細分化した業務を「誰が」、「いつ」、「どのように」、「どれくらいの時間をかけて」行っているのかを書き出します。
Step2では、現状分析されたリストをもとに、本来であえればどのように仕事を進めるのが理想なのかを書き出して、理想と現実を比較します。
次のStep3のフェーズで、Step2で書き出した理想と現実との乖離を見て、理想に近づけていない阻害要因を明らかにして、現状の課題を明確にしていきます。
明確になった課題をもとにStep4で具体的に実行すべきアクションプランの作成をします。
最後に、Step5として、実際にアクションプランを実行するともに、検証していきます。
うまくいけば継続しますし、うまくいかない場合は、更なる改良を加えます。
一度にまとめて標準化・合理化が出来るとは限りませんので、PDCAサイクルに乗せて、継続実施されるように仕組むことも重要です。
ボトルネックを特定してアクションを起こす
この作業で重要なのは、現在の業務を理想に変更しようとする場合の阻害要因を明らかにすることです。
阻害要因は、作業者個人の能力が原因なのか、システムが原因なのか、業務のやり方がまずいからなのかなどなど考えられる原因を的確に捉えないと、本質的な解決に向かわないかもしれません。
例えば、単純に個人の能力が原因ということもあります。
能力不足だから業務がまわっていないとして分析を終わらせてしまうのではなく、そうであれば能力が不足していても理解できるようなマニュアルや研修制度を作ることで対応が可能かもしれません。
そして、具体的に何を教える研修にしたらいいのかといったように深く、深く原因にあたっていく必要があります。
また、理想と現実のギャップを認識したフェーズで、単純に理想を追い求めてしまっては、本末転倒になるケースもあります。
時間とお金がありますにも膨大にかかるケースなどが考えられます。
このような場合は、まずは現実的な線でどこまで実行するのかを決めて、その実行プランを完了させます。
その後に、より理想に近づけるようなプランを実行するべきかを再度検討するという風に順を追って階段を登った方がいいこともあります。
初期段階で業務分析をして標準化・合理化を進めるメリットは、分析するだけであれば、コストがかからず(分析する時間はかかります)、手段がはっきりすることのほか、業務ごとに分析するので、全体をまとめて軌道修正しなくても、部分的なところから実行することも出来るという点もあげられます。
ただし、業務分析することだけが目的になってしまい、改善活動が実際に行われなければなんの意味もありませんので、最後のアクションプランの実行・検証のフェーズまでもっていくようにしましょう。
小さなステップの積み重ねが標準化には欠かせません。
お問合せ:CSアカウンティングお問い合わせフォーム
関連コラム
- 経理業務の標準化 ~マニュアル作成のススメ~
- たかがマニュアル、されどマニュアル意外に大変だけど効果は抜群簡単なようで出来ないのが、マニュアルを作成するということです。一人の担当者が長く同じ業務についていると、作業内容が頭に入っているので、特にマニュアルがなくても業務はスムーズにまわり…
- 経理業務の標準化 ~システム統一のススメ~
- 探す時間を極限まで減らすという観点同じシステムなら人材も活用できる会社ごとに異なると非効率になるという視点成長する企業だと、新規のビジネスを開始するにあたって、子会社を設立することもあれば、企業買収をして、会社を新たにグループに取り込むとい…
- 電子取引を電子データ保存する義務化は2年猶予で遠のいたか?
- 電子取引義務化は遠のいたのか?令和4年度(2022年度)税制改正大綱で2年間の猶予が決まる!電子取引を電子データとして保存する義務に向かっていたが・・・経理のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の現場において、今年は夏場から令和4…
- 経理業務の標準化 ~ファイリング・整理整頓のススメ~
- 探す時間を極限まで減らすという観点整理整頓出来る会社は強いメーカーなどでは、整理整頓をしている会社ほど業績が良いということが言われています。M&Aをしたら優先的に実施するのは、工場の整理整頓だという名経営者の方もいらっしゃいます。断捨離ブー…
- 経理業務の標準化 ~決算スケジュール・タスク管理~
- スケジュール管理・タスク管理は詳細に実施できていますか?スケジュールを日単位で作成することによる「可視化」目標を達成するために、予定表を作る方は多いと思います。学生時代であれば、試験日に合わせて、スケジュールを組んだ経験をお持ちの方も多いで…
当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。