お役立ちコラム

労働生産性ってなに?

労働生産性を向上させるにはどうしたらいいでしょうか?

労働生産性は、「産出量(生産量や販売量、付加価値額など)」を「投入量(労働者数、労働時間など)」で割った数値で表された経営指標です。「労働者1人あたりが生み出す成果」や「労働者が1時間で生み出す成果」を知ることができます。具体的には、産出量を何と捉えるかにより異なり、「物的労働生産性」と「付加価値労働生産性」があります。

 

1.物的労働生産性

(計算式)生産量/労働量

「産出量」の対象を「生産量」や「販売量」として計算します。生産したものの価格はそのときどきで変動するため、生産現場における効率を純粋に見るときなどは、物的労働生産性がよく用いられます。

 

2.付加価値労働生産性

(計算式)付加価値/労働量

「産出量」の対象を新たに生み出した「付加価値」として計算します。企業は一般的に、原材料を社外から調達し、手を加えて販売し、売上を得ます。付加価値労働生産性見ることで、手を加えたことにより、どれだけの付加価値を生み出せたのかがわかります。付加価値額は、売上高から原材料費や外注加工費、機械の修繕費など外部から購入した費用を除いて算出します。付加価値額には、人件費・賃借料などの企業運営費、経常利益、減価償却費などが含まれます。

 

労働生産性を高めるために、「分子(利益等)を増やす」か「分母(労働時間等)を減らす」か、いずれかの対応が必要になります。具体的には以下の通りです。

1.分子(利益等)を増やす

・新ビジネスの創出

・優秀な人材の育成や組織作り

・IT投資 など

2.分母(労働時間等)を減らす

・残業削減

・IT技術の活用

・業務改善による無駄の削減 など

 

現在の日本では、労働生産性を向上させるために、分母にあたる労働人数や労働時間を減らすことに注力している向きもありますが、分子を増やす取り組みも必要ではないかと思われます。

 

参考URL

公益財団法人日本生産性本部 生産性とは

https://www.jpc-net.jp/movement/productivity.html

 

執筆者:葛貫

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