お役立ちコラム

講師に支払う車賃は源泉徴収の対象になる?

当社では年に数回、従業員の教養向上のために、専門家の先生を講師としてお招きし、教養講話をお願いしています。講師の先生に対しては、講演料のほかに少額の車賃を別に支払いたいのですが、この車賃についても源泉徴収をしなければならないのでしょうか。

 居住者に対して国内において法第204条第1項第1号から第8号までに掲げる報酬等の支払をする者は所得税を源泉徴収しなければなりません。

また、法第204条第1項第1号、第2号及び第4号から第7号までに掲げる報酬、料金又は契約金の性質を有するものについては、たとえ謝礼、賞金、研究費、取材費、材料費、車賃、記念品代、酒こう料等の名義で支払うものであっても、それぞれの報酬・料金等として源泉徴収をする必要があります。

よって、外部講師に対して講演料とは別に車賃の名目で支払うものであっても、その実質は講演料の対価としての性質を有すると認められますので、原則は所得税の源泉徴収が必要です。

ただし、この車賃を講師に対して支払うのではなく、交通機関等に直接手配して支払う方法で負担する場合については、通常必要であると認められる範囲の金額である場合には所得税の源泉徴収の対象としなくてもよいことになっています。

<参考文献等>

国税庁HP

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2009/data/05/index.htm

執筆者:高田

 

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