お役立ちコラム
遊休地を更地のままで駐車場として賃貸する場合に権利金又は相当の地代の額を収受する必要があるか?
-
遊休地を更地のままで駐車場として賃貸する予定ですが、権利金又は地代の額を収受する必要はありますでしょうか?
-
法人税法の借地権は、「地上権又は土地の賃借権」と規定され、建物の所有を目的とする条件は付いていませんが、「その使用の対価として通常権利金その他の一時金を収受する取引上の慣行がある場合」という条件が付いています。つまり、建物の所有を目的とする形式でなく、権利金を収受する取引慣行があるかという実質によって、判断することになります。
したがって、駐車場として更地のままで土地を使用させる場合は、土地の使用が通常権利金の授受を伴わないものであると認められるので、法人税法上の借地権には該当しないため権利金の認定は行われない事となりますので権利金は収受する必要はないと思われます。
なお、実際に収受している地代の額が土地の使用の目的に照らして通常収受すべき地代の額未満のときは、未満の部分の金額が借地人に対する贈与と認定されることとなります。
<参考文献等>
『法人税事例選集』公認会計士・税理士 森田政夫 清文社
。
(掲載日:2017年10月3日)
関連コラム
- 企業版ふるさと納税の延長とその概要
- はじめに今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、企業版ふるさと納税の延長とその概要についてです。令和7年度税制改正大綱により企業版ふるさと納税の適用期限3年間延長が発表され、令和10年3月31日までの…
- 法人税に関する改正措置について
- はじめに 今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、法人税の改正措置についてです。1.法人税に関する改正措置とは「令和7年度税制改正大綱」で法人税に係る措置として、中小法人の軽減税率の見直し及び防衛特別…
- 税務会計とは
- はじめに今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、税務会計についてです。1.所得と利益の違い会計の話をする際に避けて通れないのが、税金についての話です。なかでも、会社を運営していると支払わなければならな…
- 償却資産税の期限はあっという間
- はじめに今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、償却資産税についてです。償却資産税は償却資産に係る固定資産税の通称であり、償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で、その減価償…
- 賃上げ促進税制の改正について
- はじめに 令和6年度税制改正大綱にて賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、物価上昇を十分に超える持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指す等の観点から賃上げ促進税制の強化が行われました。この中で特に大きな改正点として5年間の…
当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。
