お役立ちコラム

源泉所得税の税率について租税条約による特例を受けたい場合の必要な手続

外国法人からの借入金について利息を支払う際、源泉所得税を控除しますが、この時、租税条約による税率の特例を受ける場合の手続きとはどのようなものですか。

源泉徴収の対象となる国内源泉所得の支払を受ける非居住者等が、日本において源泉徴収される所得税及び復興特別所得税について、租税条約に基づき軽減又は免除を受けようとする場合には、「租税条約に関する届出書」(以下「届出書」といいます。)を提出する必要があります。

 この届出書は、その支払内容によって書式が異なり、その主なものには、(1)配当に対する所得税及び復興特別所得税の軽減・免除(様式1)、(2)利子に対する所得税及び復興特別所得税の軽減・免除(様式2)及び(3)使用料に対する所得税及び復興特別所得税の軽減・免除(様式3)等があります。

非居住者等は、届出書を所得の支払者である源泉徴収義務者(以下「支払者」といいます。)ごとに正副2部作成し、最初にその所得の支払を受ける日の前日までに、支払者を経由して支払者の納税地の所轄税務署長に提出します。

非居住者等が支払を受ける日の前日までに届出書を税務署長へ提出していない場合には、支払者は、支払の際、日本と締結している各租税条約に規定している限度税率を適用するのではなく、国内法に規定する税率によって源泉徴収を行います。

 

 <参考文献等>

国税庁HP タックスアンサー No.2888 租税条約に関する届出書の提出

http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2888.htm

国税庁HP 税務手続きの案内(源泉所得税(租税条約等)関係)

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/joyaku/mokuji2.htm 

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