お役立ちコラム

損金算入の対象となるパフォーマンス・シェアについて

パフォーマンス・シェアが損金算入の対象となると聞きました。内容について教えてください。

パフォーマンス・シェアとは、株式報酬制度の1つで中長期の業績目標の達成度合いに応じて株式を交付するというものです。

平成29年度税制改正大綱で利益連動給与が大幅拡充され、以下の見直しが盛り込まれました。

①算定指標の範囲について、株価及び売上高を加えるとともに、当該事業年度後の事業年度又は将来の所定の時点若しくは期間の指標を用いることができることとする。

②業績連動指標(*)を基礎として算定される数の市場価格のある株式を交付する給与で確定した数を限度とするものを対象に加える。

これにより、パフォーマンス・シェアも利益連動給与として損金算入の対象となることが可能になりました。例えば、中期経営計画の最終年度の業績連動指標の達成度合いに応じて株式を交付するといった“株式による給与(上場株式に限ります。)”が今後採用可能になります。

手続きに関する要件として、導入時には株主総会等において交付する株式の上限数を決議する必要があります。これは現行の金銭による利益連動給与の要件の1つに「確定額を限度としているもの」があるためです。また、利益連動給与と同様に有価証券報告書で採用する業績連動指標や業績連動指標の期間、算定方法等を開示しなければなりません。

なお、パフォーマンス・シェアは、平成29年4月1日以後の支給・交付決議する給与から適用となります。

(*)業績連動指標の例

業績連動指標

利益の状況を示す指標

営業利益、経常利益、ROA、ROE等

株式の市場価格の状況を示す指標

株価

売上高の状況を示す批評

売上高

<参考文献等>

平成29年税制大綱(P67)

https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/133810_1.pdf

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