お役立ちコラム

国外居住親族への送金関係書類

私は国内の高校を卒業後、海外の大学に留学中の息子に生活費として毎月仕送りをしています。国外に住む扶養親族について所得税の扶養控除の適用を受けるためには、生活費の送金の証明が必要になったと聞きました。銀行の外国送金依頼書を証明書類としようと思いますが問題ないでしょうか。また、全ての送金の依頼書を提出しなければならないのでしょうか?

外国送金依頼書については、送金人及び受取人の氏名、送金日、送金額、送金目的(生活費等)が分かる書類である必要があります。これらを満たすものであれば、当該書類が証明書類(以下「送金関係書類」)として問題ありません。仮に一部の要件を満たさない場合であっても、他の資料と組み合わせる事で上記の事項を証明できれば、送金関係書類としての要件を満たす事になります。
  
また、送金関係書類の提出等については、原則としてその年に行った送金の全てについて提出等の義務があります。ただし、次の事項を記載した明細書を添付すれば、その年の最初と最後の送金分以外は提出等を免除されます。
  
①居住者の氏名及び住所
②支払を受けた国外居住親族の氏名
③送金日
④支払方法
⑤支払金額
  
尚、提出を免除された場合であっても、提出しなかった書類の保管義務がありますので、ご注意下さい。
  
《参考》
国外居住親族に対する送金関係書類の明細書 (国税庁HP)

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