お役立ちコラム
過少資本税制検討時における自己資本の考え方について
-
当社は海外にある親会社から借入れを行いました。期末において、当社は債務超過となっておりますが、この場合、過少資本税制の適用を検討するにあたり留意すべき点はありますでしょうか。
-
過少資本税制とは、海外の関連企業から出資に代えて貸付を多く受けることで、税負担を軽減することを防止するため、一定割合を超える支払利子の損金算入を認めないこととするものです。具体的には、①国外支配株主等及び資金供与者等に対する負債の国外支配株主等の資本持分に対する倍数と、②総負債の自己資本に対する倍数の両方が3を超える場合にこの制度が適用されます。
ここで、自己資本の額とは各事業年度の純資産の額を指しますが(租税特別措置法第66条の5第5項第6号)、この金額が資本金等の額に満たない場合には、資本金等の額を自己資本の額として計算することとされています(租税特別措置法施行令第39条の13第23項)。
貴社の場合、債務超過となっており、自己資本の額は資本金等の額を下回っていると考えられますので、上記①、②の倍数を検討する際、自己資本の額は実際の純資産ではなく、資本金等の額を用いる必要があります。
<参考文献等>
租税特別措置法第66条の5
租税特別措置法施行令第39条の13
関連コラム
- 企業版ふるさと納税の延長とその概要
- はじめに今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、企業版ふるさと納税の延長とその概要についてです。令和7年度税制改正大綱により企業版ふるさと納税の適用期限3年間延長が発表され、令和10年3月31日までの…
- 法人税に関する改正措置について
- はじめに 今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、法人税の改正措置についてです。1.法人税に関する改正措置とは「令和7年度税制改正大綱」で法人税に係る措置として、中小法人の軽減税率の見直し及び防衛特別…
- 税務会計とは
- はじめに今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、税務会計についてです。1.所得と利益の違い会計の話をする際に避けて通れないのが、税金についての話です。なかでも、会社を運営していると支払わなければならな…
- 償却資産税の期限はあっという間
- はじめに今回の経理・会計・税務BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のコラムは、償却資産税についてです。償却資産税は償却資産に係る固定資産税の通称であり、償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で、その減価償…
- 賃上げ促進税制の改正について
- はじめに 令和6年度税制改正大綱にて賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、物価上昇を十分に超える持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指す等の観点から賃上げ促進税制の強化が行われました。この中で特に大きな改正点として5年間の…
当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。
