お役立ちコラム

控除対象外消費税の対象となる資産を売却した場合について

建物購入時に控除対象外消費税額等が発生したため、繰延消費税として60ヶ月で償却しています。この度、この建物を売却することとなりましたが、対応する繰延消費税等も除却することになるのでしょうか?

税抜経理を採用している会社においては、一定の場合に仕入控除税額は課税仕入等に対する消費税額の全額ではなく、課税売上に対応する部分の金額となります。かかる場合には質問にある控除対象外消費税額等が生じることになります。

そして、繰延消費税額等は個別に資産と紐づけられておらず、売却に関する規定も定められていません。そのため、控除対象外消費税額等を発生させた資産が除却・売却された場合も、引き続き一定額の償却を続けることとなります。

ちなみに、一括償却資産の損金算入適用資産についても、償却期間の途中において売却・除却があったとしても未償却残額を一時の損金にすることができないことになっていますので、控除対象外消費税額等の対象となっている場合と同様の処理となります。

<参考文献等>

https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6921.htm

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_01_02.htm

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