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ABC(Activity Based Costing:活動基準原価計算)の計算原理について

「ABC(Activity Based Costing:活動基準原価計算)」の計算原理を教えてください。

伝統的な原価計算では製造間接費は部門別に計算されます。ABCでは、「製品が活動を消費し、活動が資源を消費する」という基本理念にもとづいて原価が計算されます。そのためABCでは、資源の原価を活動に割り当て、活動をもとに原価計算対象に原価を割り当てます。

わが国の「原価計算基準」(1962年)では、「個別原価計算における間接費は、原則として部門間接費として各指図書に配賦する」(第2章第4節33(1))としています。そのため、1960年代中頃以降は製造間接費の配賦は部門別配賦が一般的に行われてきました。

ABCでは、製造間接費を部門に集計しません。製造間接費は、部門ではなく活動を単位としたコスト・プール(cost pool:原価の集計場所)に集計されます。資源の原価は資源作用因(resource driver)を用いて活動に原価を割り当てます。これは、伝統的な原価計算における製造間接費配賦の第1段階、すなわち部門共通費の配賦に相当し、資源の消費段階における原価の割り当てであるといえます。

コスト・プールである活動に集計された製造間接費は、活動作用因(activity driver)にもとづいて製品やサービスなどの原価計算対象に割り当てます。伝統的な原価計算では、製造間接費は操業度関連の配賦基準を使用して製品に配賦されてきました。しかし、これは恣意的な原価の配分であるとして強く批判されています。

ABCは、活動作用因を使用することによって、原価と製品の結びつきを因果関係にもとづいて合理的に行おうとするものです。

<参考文献等>

櫻井通晴『管理会計 第五版』同文館出版、2012年

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