お役立ちコラム

海外から帰国した従業員の年末調整について

2年ほど海外へ出向していた従業員が帰国しました。支払った給与について年末調整する必要があると思うのですが、留意点を教えてください。

海外へ出向していた従業員の年末調整の主な留意点は、以下の通りとなります。

(1) 年末調整は原則として、給与の支払者に「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に対して

  行います。帰国後の最初の給与支給日の前日までに、当該申告書を提出してもらう必要があります。

(2) 年末調整の対象となる給与は、帰国後に御社から支払われた給与等が対象となります。

(3) 配偶者控除や扶養控除については、12月31日時点で居住者であれば満額控除することが可能です。

(4) 社会保険料控除や生命保険料控除については、居住者となった日以後に支払った金額のみが控除の対象

  となります。

(5) 年末調整には関係ございませんが、医療費控除も、居住者の期間中に支払った金額が医療費控除の対象

  となります。

(6) 海外出向前に住宅借入金等特別控除の規定の適用を受けていた場合に、出向直前に所轄税務署長に対

  し、届出書を提出していたときは、帰国後再び住宅借入金等特別控除の規定の適用を受けることが

  可能です。

この場合、その最初の年に必要事項を記載した書類を添付した上、確定申告を行う必要があります。

上記以外にも留意点はございますので、年末調整を行う際は必要な要件、手続き等をよくご確認ください。



参考URL  国税庁HP

「海外出向者が帰国したときの年末調整」http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2518.htm 

「転勤と住宅借入金等特別控除等」http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1234.htm 

関連コラム

電子帳簿保存法とは?令和5年度税制改正のポイント解説
電子帳簿保存法とは 電子帳簿保存法とは、今まで原則として紙での保存が義務付けられていた帳簿書類について、所定の要件を満たした場合、紙ではなく電磁的記録(電子データ)による保存を可能とすることを定めた法律です。また、電子データとして授受した情…
絶対に失敗したくない!経理アウトソーシングで気をつけるべきこととは?
p; 経理アウトソーシングを失敗しないための秘訣とは? p; 今回のコラムでは、経理アウトソーシングで失敗しないために取り組むべきポイントを紹介しています。経理アウトソーシングは委託すれば終わりというわけではありません。…
今さら人に聞きにくい「振込振替」「総合振込」「給与振込」の違いとは?
世の中に広く普及している「インターネットバンキング」。個人で利用されている方も大勢いらっしゃると思います。しかし、総務部や経理部に配属されて、いざ仕事で使用するとなるとコレって何だっけ?何か良く分からないけど人には聞きづらいなぁ&hel…
法人番号指定通知書を紛失した場合の対応について
1. はじめに p; 2016年1月から「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づいた「社会保障・税番号制度」が動き出しています。 この制度の下では「個人番号」と「法人番号」の二種類があり、それぞ…
これさえ知っておけば大丈夫!経理アウトソーシングのメリット・デメリット 8選
経理アウトソーシングは、会社の経営を円滑かつ効率的にするために役立つサービスです。 経理アウトソーシングにはさまざまなメリットがありますが、デメリットも見落としてはいけません。 p; 今回は経理アウトソーシングの…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。