お役立ちコラム

非居住者に国外拠点を通じて利息を支払った場合の源泉徴収事務について

弊社は非居住者から借入があり、この度、利息を支払うこととなりました。 その際、海外支店で利息の代行払いを行う予定です。この場合、利息の支払は国外で行われることになりますので、所得税の源泉徴収の必要はないのでしょうか。

1.国内源泉所得の支払が国外にて行われる場合で、支払者が国内に事務所等その他これに準ずるものを有するときは、その支払者が当該国内源泉所得を国内において支払うものとみなして、源泉徴収しなければなりません。

 

2.ご質問のケースで借入は本店である内国法人が行っており、利息は国内源泉所得と考えられます。したがって、利息の支払が国外で行われていたとしても、実態として支払は内国法人が行っているとみなされ、源泉徴収義務が生じます。

なお、この場合の納期限は、徴収する日の属する翌月の末日となっております。

 

<参考> 

所得税法 212条2項

渡辺淑夫編 『国際税務の疑問点』 株式会社ぎょうせい、279頁

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