お役立ちコラム

東日本大震災により、自宅に修繕が必要になりましたが、税務上の優遇規定はありますか

東日本大震災で自宅が被害を受けてしまい、修繕が必要な状況です。修繕費として支払った金額について、税金計算上の優遇規定はありますか。また、どのような手続きが必要でしょうか。

個人が災害や盗難等によって被害を受けた場合には、確定申告において雑損控除の適用を受けることができます。これは、生活に必要な資産に生じてしまった損失額のうち、一定額を所得金額から控除することができるものです。控除額が所得金額を超える場合においては、その超える部分の金額を翌年から5年間(東日本大震災によるもの以外の場合は3年間)繰越すことができます。

適用を受けるためには、確定申告において、被害を受けた資産の取得時期や取得価額の資料、取り壊し費用や除去費用、罹災証明書等の添付が必要になります。(注)

平成23年の確定申告のほか、選択により平成22年の確定申告において適用することもできます。

控除額の計算(次のうちいずれか多い金額)

 1.(損害金額-保険金等で補填される金額)- 所得金額の10分の1

 2. 災害関連支出額-5万円

 ※  損害金額は、損害を受けた時の直前の時価を基に計算することになりますが、個々に損失額を計算することが困難な場合のために、国税庁HPにおける『東日本大震災に係る損失額計算システム』で損失額の計算を行うことができます。

 

(注)雑損控除の適用を受ける場合には、一定の書類の添付が必要になりますが、被災によりこれらの書類がない場合も考えられるため、税務署においては相談に応じるとのことです。

 

参考URL 国税庁HP 東日本大震災により被害を受けられた個人の方へ

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/saigai/higashinihon/tokurei/shotoku/index.htm

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