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資産の取り壊し費用を資本的支出とすべき場合があると聞きましたが・・・?

資産の取壊し費用を資本的支出とする場合があると聞きました。どのような場合でしょうか。取壊し費用の取扱いについて教えて下さい。

ケース①土地とともに取得した建物を取り壊した場合

法人が建物の敷地を建物とともに取得した場合又は自社の土地の上にある借地人の建物を取得した場合で、その取得後おおむね1年以内にその建物の取壊しに着手する等、初めからその建物を取り壊し、土地を利用する目的であることが明らかな場合には、その建物の取壊し時の帳簿価額と取壊費用の合計額(廃材処分により得た金額があるときは、それを控除した金額)が、その土地の取得価額に算入することとなります。

ただし、当初は建物を事業に使用する目的で取得したが、その後やむを得ない理由により、その使用をあきらめなければならないような場合には、その取得後おおむね1年以内にその建物を取り壊したときであっても、その建物の帳簿価額と取壊費用の合計額は、土地の取得価額に含めず、取り壊した日の属する事業年度の損金とすることが認められています。

ケース②建物等を取り壊し、これに代わる建物等を取得する場合

法人がその有する建物、構築物等でまだ使用に耐えるものを取り壊して、これに代わる建物、構築物等を取得する場合には、廃材等の見積り額を除き、取り壊し直前の帳簿価額を、取り壊した日の属する事業年度の損金とすることが認められています。

 

<参考条文>

法人税基本通達7-3-6(土地とともに取得した建物等の取壊費等)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_03_01.htm

法人税基本通達7-7-1(取り壊した建物等の帳簿価額の損金算入)

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_07_01.htm

タックスアンサーNo.5401(土地とともに取得した建物を取り壊した場合の土地の取得価額)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5401.htm

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