お役立ちコラム

贈与税の暦年課税と相続時精算課税について教えて下さい。

贈与税には、2つの計算方法があると聞いたのですが、どのような制度があるのですか?

贈与税には、暦年課税と相続時精算課税の2つの制度があります。

【税額計算】

暦年課税は、その年において全ての贈与者から受けた贈与財産の合計額から、110万円の基礎控除額を控除した金額に、税率(10~50%)を掛けて税額を計算します。

一方、相続時精算課税は、贈与者ごとにその年に贈与を受けた財産の合計額から、特別控除額(2,500万円。ただし既に控除を受けたことがある場合には、残額)を控除した金額に、税率(一律20%)を掛けて税額を計算します。

【適用要件】

暦年課税は、適用を受けるための要件はありません。

一方、相続時精算課税を適用するためには、贈与者は65歳以上の親、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子(子が亡くなっているときには20歳以上の孫を含みます。)という要件を満たす必要があり(年齢は贈与の年の1月1日現在のもの)、届出書を提出しなければなりません。

また、相続時精算課税は一度適用を受けた後は、その贈与者からの贈与は必ず相続時精算課税の方法で計算をしなければならず、またその撤回をすることはできないという制約があります。

【相続税との関係】

贈与者が死亡した場合の相続税の計算においては、暦年課税の場合は、相続財産に加算する財産は相続開始前3年以内に限られます(相続により財産を取得しなかった場合には、加算されません。)

一方、相続時精算課税の場合は、適用後に取得したすべての財産が相続財産とみなされ、相続により財産を取得しなかった場合でも、相続財産の対象となります。

なお、支払った贈与税については、いずれの制度でも相続税から一定の控除を受けることができます。

参考URL 国税庁HP

タックスアンサーNo.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4408.htm

タックスアンサーNo.4103 相続時精算課税の選択

http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4103.htm

関連コラム

教育資金の一括贈与制度 使いきれなかった場合はどうなるか
教育資金の一括贈与制度とは、30歳未満の個人が、教育資金に充てる目的で、銀行等の金融機関との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(祖父母等)から金銭等の贈与を受けた場合において、一定の非課税手続きを行ったときは、その贈与を受けた金銭等のう…
相続に影響ある?配偶者居住権って?
相続法が改正され配偶者居住権が新設されると聞きましたが、新設されれば何が変わるのでしょうか?
「家なき子の特例」、三親等内の親族の家に居住している場合は適用不可!?
田舎の母が亡くなり実家を相続することになりました。この家は父が他界した後、母が一人で暮らしていました。私は現在、東京の叔母の家を借りて生活しており、これまで家を所有したことはなく、ずっと独身です。今回、小規模宅地等の特例の適用は受けられま…
生前に贈与された財産に相続税が課されるのはどのような場合ですか?
相続税より贈与税の適用税率が低いため、生前贈与を活用して財産の移転を行っています。しかし生前贈与で引き継いだ財産にも相続税が課せられるケースがあると聞きましたが、どのよう場合でしょうか? p;
連年で贈与をしたいのですが?
贈与税に関して、暦年課税の場合、各年の受贈額が110万円の基礎控除額以下であれば贈与税はかからないと聞きました。 今回子供に現金1,000万円を贈与したいと思いますが、毎年贈与契約を締結するのは煩雑なため、今年書面にて毎年100万円を10…

当サイトの情報はそのすべてにおいてその正確性を保証するものではありません。当サイトのご利用によって生じたいかなる損害に対しても、賠償責任を負いません。具体的な会計・税務判断をされる場合には、必ず公認会計士、税理士または税務署その他の専門家にご確認の上、行ってください。