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教育資金の一括贈与制度 使いきれなかった場合はどうなるか
教育資金の一括贈与制度とは、30歳未満の個人が、教育資金に充てる目的で、銀行等の金融機関との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(祖父母等)から金銭等の贈与を受けた場合において、一定の非課税手続きを行ったときは、その贈与を受けた金銭等のうち、1,500万円までを贈与税の非課税対象とする制度です。
当初、平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に贈与された教育資金が対象とされていましたが、改正により「平成31年3月31日まで」に延長されています。
教育資金口座に係る契約は、下記の(1)~(3)の事由に該当したときに終了します。
(1) 受贈者が満30歳に達したこと
(2) 受贈者が死亡したこと
(3) 口座の残高が0(ゼロ)になり、かつ、その口座に係る契約を終了させる合意があったこと
それでは30歳までに使いきれず、口座等に残高が残ってしまった場合はどうなるでしょう。
上記の(1)又は(3)の事由に該当し教育資金口座に係る契約が終了した場合において、贈与者から贈与された金銭等から教育資金として費消した支出額を控除した残額があるときは、その残額は、その受贈者の(1)又は(3)の事由に該当した日の属する年の贈与税の課税価格に算入されます。
従って、その残額が贈与税の基礎控除額を超える場合には、その受贈者は贈与税の申告と納付を行う必要が生じてきます。
また、贈与者が死亡した場合の、相続開始前3年以内贈与加算との関係はどうでしょうか。
贈与した日から教育資金口座に係る契約終了の日までの間に贈与者が死亡した場合でも、贈与者の死亡に係る相続税の課税価格の計算上、「相続開始前3年以内の贈与」があった場合の規定の適用はされず、贈与者の死亡に係る相続税の課税価格には算入されることはありません。
ただし、上記のように、受贈者が30歳に達したため教育資金口座に係る契約が終了し、贈与者から贈与された金銭等から教育資金として費消した支出額を控除した残額について贈与税の課税価格に算入された価額がある場合で、贈与者が死亡したときは、贈与者の死亡に係る相続税の課税価格の計算上、相続開始前3年以内に贈与があった場合の規定の適用により、贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に算入されることになります。
<参考文献等>
文部科学省HP 教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/zeisei/1332772.htm
国税庁HP タックスアンサー No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4510.htm
国税庁HP タックスアンサー No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4161.htm
執筆者:坂口
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