お役立ちコラム

傷病手当金について

「傷病手当金」ってご存知ですか?健康保険の被保険者が私傷病(業務上、あるいは通勤途中のケガや病気は除きます)により欠勤を余儀なくされた場合、給料の全額ではありませんが、一定額が保障されるというありがたい制度です。

しかし、この制度を知らない方もいらっしゃり、ご自身の有給休暇で補填されたりする場合もあるようですので、改めて、傷病手当金とはどんな時もらえ、どう手続きをするか等をこのページでご紹介します。ぜひとも該当した場合は、忘れることなく申請を行ってください。

 

 

<傷病手当金の支給期間>

 

 

■待期期間について

 

まずは待期期間について説明します。傷病手当金は私傷病で会社を休んだとしても、すぐには支給されません。

私傷病のために会社を休んだ日から連続して3日間の待期期間があります。その間は傷病手当金は支給されません。その後の4日目以降から会社を休んだ日に対して支給されます。なお、待期期間には有給休暇、土日祝日の公休日も含まれます。

 

 

■支給期間の上限について

 

傷病手当金は、生活保障を行う制度であるため、原則的には給与を受けていないことが支給される条件です。

ただし、例外として、給与の支払いがあったとしても、傷病手当金額よりもその給与額が少ない場合は、差額が支給されることになりますので、給与が出ているから傷病手当金の受給は無理とすぐさま諦め、申請を止めてしまうと後でもらえるはずの傷病手当金がもらえなかった・・・と気づいてからでは遅いこともありますので、その点もよくご確認下さい。

 

 

■支給期間の上限について

 

傷病手当金が支給される期間は、支給が開始された日から起算して最長で1年6ヵ月となっています。

これは、のべ支給期間が1年6ヵ月ということではなく、支給開始日から1年6ヵ月後までが支給対象となる期間であるという意味です。後述しますが、途中で復帰した期間があっても、その期間分の日数が延長されるわけではありませんのでご注意下さい。

 

 

■いったん仕事に復帰したけれど、また同一傷病で欠勤した場合の支給期間

 

もし、支給期間中に一旦仕事に復帰し、また休業となってしまった場合はどうなるのでしょうか?

復帰後に同一傷病で再び仕事につけなくなった場合は、待期期間なしで支給が再開されますが、あくまでの支給対象期間の上限は、最初の支給開始日から1年6ヵ月目までとなります。一旦復帰して働いた期間があるからといって、その日数分、支給期間が延長されるという訳ではありません。

分かりやすくいえば、途中で復帰があってもなくても、支給開始日から1年6ヵ月を超えた場合は、以降、傷病手当金は支給されなくなるのです。

 

 

■退職した後の支給期間

 

傷病手当金を受給している時に、そのまま会社を退職することになった場合、傷病手当金の支給はどうなるのでしょうか?

会社を退職しても、就業不能な状態が続いているのであれば、退職後も引き続き残りの期間について傷病手当金を受けることができます。ただし、それには次の条件を満たさなければなりません。

  • 退職日までに、継続して1年以上の被保険者期間 (健康保険任意継続の被保険者期間を除く)がある。
  • 退職時に傷病手当金を受けている、または受ける条件を満たしている。

この2つの条件に当てはまらなければ、退職後、傷病手当金を受給することはできませんので、ご注意下さい。

なお、退職日に出勤した場合は、その時点で給付は終わりとなり、その翌日以降は傷病手当金の給付対象となる休業に当てはまらなくなります。退職日まで欠勤していることが大前提です。また、退職後は一旦仕事ができるまでに回復すると、その後、再度働けなくなった場合でも傷病手当金は支給されませんので、その点もご注意下さい。

 

 

<傷病手当金の支給額>

 

傷病手当金の支給額についても少し説明しておきます。傷病手当金の支給額は、およそ給料の2/3です。

1日あたりの金額は以下の計算式を元に算出されます。

支給開始日以前12カ月の各月の標準報酬月額 ÷ 30日 × 2/3

傷病手当金は土日や祝日などの会社が休みの日も支給対象となります。

また、休業中に会社から給与が支払われた場合は支給されませんが、その額が傷病手当金の額より少ない時は、本来の傷病手当金の支給額との差額が支給されることになります。

 

 

<傷病手当金と他の手当との併給調整>

 

 

(1)障害厚生年金または障害手当金

 

傷病手当金を受ける理由となった病気やけがで障害厚生年金を受けている場合は、傷病手当金は支給されません。また、障害手当金を受けられる場合は、傷病手当金の合計額が障害手当金額に達するまでは傷病手当金は支給されません。

 

 

(2)老齢退職年金

 

退職後に傷病手当金を継続して受けている時に、老齢退職年金を受ける場合は、傷病手当金は支給されません。

 

 

(3)労災保険(休業補償給付)

 

業務中のケガ等で労災保険から休業補償給付を受けている時に、業務外の理由による病気やケガで就業不能となった場合は、労災保険から休業補償給付を受けている期間中は、傷病手当金は支給されません。

 

 

(4)出産手当金

 

出産手当金を同時に受けることになった場合は、傷病手当金は支給されません。

 

関連ページ:

社会保険アウトソーシング|人事・労務・社会保険サービス

人事・労務・社会保険サービス|サービス紹介

 

執筆者:染野

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