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厚生年金保険法第128条の届とはどのようなものですか?

厚生年金基金に加入している事業所ですが、このたび「厚年法第128条の届」を退出するよう基金から指示がありました。これはどのようなものでしょうか?

厚生年金基金は、常に厚生年金保険の被保険者記録と同一の加入員記録を管理する必要があります。このため、厚生年金保険法第128条に、下記のように定められています。

(設立事業所の事業主の届出)

【第128条】

設立事業所の事業主は、加入員に関する第18条第1項の規定による確認又は標準報酬の決定若しくは改定につき第29条第1項の規定による通知があつたときは、すみやかに、その通知があつた事項を基金に届け出なければならない。

これにより、基金に加入している事業所の事業主は、年金事務所から返送されてくる確認通知書や決定通知書の内容と基金からの確認通知書を照合し、両者の相違の有無にかかわらず、すみやかに、その通知のあった事項を基金に届け出なければなりません。

また、いわゆる年金記録問題を受けて、厚生労働省より「厚生年金基金における加入員原簿の記録の適正な管理等について(平成19年10月9日 年発第1009001号)」という通知が発信され、届出の実施について徹底が求められました。

 

具体的に届出が必要な事項は、以下のとおりです。

○資格取得届…氏名、生年月日、性別、基礎年金番号、取得年月日、標準報酬月額

○資格喪失届…喪失年月日

○算定基礎届…決定後の標準報酬月額

○月額変更届…改定年月、改定後の標準報酬月額

○賞与支払届…賞与支払年月日、標準賞与額

相違がある場合は、「128条の届」とは別に訂正届も必要です。ただし基金へ訂正届を既に提出している場合は「128条の届」は“相違なし”とします。

 

「128条の届」用紙は基金ごとに異なります。また、届出の際に確認通知書等の写しを添付させている基金もありますので、加入している基金にご確認ください。

この他、特殊なケースとして、全ての届書を基金経由で提出し、確認通知等も基金経由で事業所に返却していることとしている場合があります。

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