お役立ちコラム

通勤労災について

弊社社員が朝、出勤する途中にマンションの階段から足を滑らせ捻挫しました。通勤災害として認められるのでしょうか?

まず、通勤災害とは「社員が就業する為、住居と就業の場所との間を合理的な経路及び方法によって往復する間に発生した災害」を指します。

今回のケースでは「住居」と「通勤経路」との境界線がどこになるか、つまりは「マンションの階段」という「マンションの共用部分」は“住居内”なのか、あるいは“住居と就業場所との経路上”にあたるのかがポイントとなります。

行政解釈では、部屋の外戸(出入り口のドア)が住居と通勤経路との境界線であり、マンションの階段は通勤上の経路として認められるとしています。

理由として、マンションなどの集合住宅の場合、階段やエレベーター、エントランスホール等の共有スペースは住人以外の人たちも通行が自由にできる為、“住居”とはみなさない為です。

よって、ご質問の様なケースで就業のため会社に向かっていた事や、合理的な経路・方法で事、通勤起因性を否定する事由がない事といった他の要件を満たす場合、通勤災害として認められることになります。

補足ですが、同じマンションでも「オートロック式のマンションの階段」で怪我等が発生した場合は注意が必要です。オートロック式のマンションの場合、マンション内部は住人以外の人たちの通行が自由ではないので、“通勤経路上”と認められない可能性があります。

現在、この様なケースは実例が乏しく、通勤災害か否かは個別具体的に状況を見て判断される事になります。

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