お役立ちコラム

改正後の在職老齢年金の支給停止額について教えてください。

現在、在職老齢年金を受給しながら勤務している社員がおります。4月より支給停止基準額等が変更となるとのことですが、どのようになるのでしょうか。

老齢厚生年金の受給権者が厚生年金の被保険者である場合には、年金額と賃金との合計額が一定の基準額(支給停止基準額という)を超えた場合には、年金額の全部又は一部を支給停止することとなっています。これを「在職老齢年金制度」といいます。また、「支給停止基準額」は法律上、賃金の変動等に応じて自動的に改定される仕組みになっています。支給停止基準の算出方法は以下のとおりです。

【支給停止基準額の算出方法】

・「28万円」: 標準的な年金給付水準を基に設定されている金額なので、年金額と同様の方法で改定(四捨五入で1万円単位で改定)

・「48万円」: 現役男子被保険者の平均標準報酬月額を基に設定されている金額なので、名目賃金の変動に応じて改定(四捨五入で1万円単位で改定)

今回、上記の法律上のルールに基づき計算した結果、平成22年度の支給停止基準額が「28万円」「47万円」となりました。なお、算出内容は以下のとおりです。

【平成22年算出内容】

・「28万円」:平成21年の物価水準は対前年比で下落(▲1.4%)したが、法律で引き下げる際の基準としている平成17年の水準と比較した場合、依然として0.3%上回っているため、平成22年度の年金額は据置となったため、支給停止基準額も「28万円」より変更なし。

・「48万円」:平成21年の名目賃金の下落が大きかった(▲2.4%)ため「47万円」に改定

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