お役立ちコラム

経理業務の標準化 ~ムダはなくしてしまいましょう~

どこから手をつけるか?小口現金でしょ!

経理業務の標準化を進めるといっても、どのあたりから進めようかなと悩んでいる方も多いと思います。

もちろんシステムを入れて効率化を図りつつ、標準化を進めるというのも正しい手法ではありますが、ムダな作業をそぎ落としていきながら標準化を図るという手法もあります。

今回は、ムダを省くという視点で、もしかしたら皆さんの会社にも残っているかもしれないムダな作業について考察してみたいと思います。

小口現金のためにこんなに時間がかかっている


皆さんの会社には小口現金があるでしょうか?

小口現金は、社員が、経費と立て替えている場合に領収書と引き替えに現金を受け取りにきたり、出張前に出張料金の仮払いのためにお金を受け取るためなどに活用されます。

社員の立場で考えると、必要な時にお金をさっともらえるので便利です。

でも、この便利さを保つためにどのような努力をしているのでしょうか。

まず、お金を手元に置いておくために経理部門の社員が銀行にお金をおろしに行く必要があります。

次に、都度お金を取りに来る社員のために経理部門の社員は、いったん仕事を中断してお金の出し入れに集中しなければなりません。

そして、毎日出納帳を締めた上で、現金の実査をした上で、帳簿と現物が一致しているかを合わせなければなりません。

さらに、お金は一人にだけに管理させておくと不正を起こす可能性がありますので、上司が現物の確認を行います。

この段階で現物と帳簿が一致しない場合は、遅くまで合わせる作業に追われたなんて経験がある方もいるかもしれません。

また、社内・社外の人間から盗難されるリスクもあるために、きちんとした鍵のかかる金庫を用意しておかなければなりません。

実は、これだけの管理等を小口現金を会社に置くためにはする必要があるのです。

小口現金をなくすという大改革を断行する


そこで、経理のムダを省くとい観点からの提案は、

「小口現金を会社からなくす」

ということです。

もちろん、反対も出てくると思います。

いつもすぐにお金をもらえていたものがもらえなくなるのですから。

それでは、そんな反対意見に対してどのような対応をすることで小口現金をなくすことに納得してもらえるでしょうか。

小口現金を廃止した場合、基本的に社員の方への精算は銀行の振込手続きを通じて行います。

すぐにお金が欲しいという要望に対しては、リアルタイムで送金することは事務の手間が増えるので難しい面はありますが、精算のタイミングを週に一度とかにすればきっとそれほど受け取る方にとっても問題にはならないかと思います。

また、経費の金額が多額となる場合に、仮払いをしてあげていた場合の対応ですが、コーポレートカードを作って、そのカードで精算をしてもらうようにします。

そうすると、金額が多額になる飛行機代や新幹線代などはコーポレートカードを使ってもらえば、社員の財布から現金は出ていかなくなります。

このように小口現金を廃止したとしても、それほど社員にストレスを感じさせることなくすることが出来るのです。

経理部門に生じるメリットしては、毎日業務の途中で現金の出し入れをして仕事が中断するというストレスから解放されるほか、現金を数えなくてよくなる、上司が現金の盗難を心配する必要がなくなる、金庫を買う必要がないので、その分のコストが浮く等々時間もお金もかなり節約できることになります。

さらに、在宅勤務等が増えている現状を考えると小口現金があることが前提で業務を回していくということは出社が前提ということになりますが、出社しないことを前提で業務を考えると小口現金制度をなくというのも納得感があると思います。

最近は、かなりの会社で小口現金制度はなくしてきているという実感はあります。

冒頭の質問である「小口現金はありますか?」という問いに対する答えが、「あります」というようであれば、ムダをなくすためにも廃止する方向で動いてみて下さい。

だいぶスッキリすると思いますよ。


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