お役立ちコラム

源泉徴収対象となる非居住者に係る国内源泉所得について、海外出張の際に現地で支払う場合と、海外拠点で代行払いする場合とで違いはあるのでしょうか?

弊社は非居住者から著作権の使用許諾を受け、使用料を支払っています。 当期分については、取締役が海外出張の際に現地で支払うか、又は海外支店で代行払いする予定でいます。 いずれの場合も、使用料は国外で支払われることになりますが、所得税の源泉徴収は必要でしょうか。また、源泉徴収が必要な場合、納付期限はいつでしょうか。

 ■取締役が海外出張の際に現地で支払う場合

金銭の授受が国外で行われる場合であっても、その支払事務(支払額の計算、支出の決定、支払資金の用意、金員の交付等の一連の手続)が国内で取り扱われたものと認められるものについては国内払に該当します。従って、通常の国内から海外送金した場合と同様、源泉徴収を行い、支払の翌月10日までに納付する必要があります。

 ■海外支店で代行払いする場合

この場合、支払事務の取扱場所は国外にあると考えられますが、その場合であっても、その支払をする者が国内に事務所等を有するときは、その支払者が国内で当該使用料を支払うものとみなして、源泉徴収する必要があります。ただし、納付期限については、支払の翌月末日となります。

なお、その支払をする者が国内に事務所等を複数有している場合には、主たる事務所等の所在地が納税地となります。

 

<参考文献等>

国税庁HP 

・質疑応答事例 源泉徴収の対象となる所得の支払地の判定

 https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/gensen/01/11.htm

 所得税法 212条2項、17条

 所得税法施行令 55条2項7号

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