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電話加入権の損金算入時期について

決算書に計上されている電話加入権について、加入料の相場が下落していることと等を踏まえて、損失又は評価損の計上はできますでしょうか?

電話加入権は税務上、無形固定資産に該当し、新たに契約する際に支払った施設設置負担金(設置工事費等含む)の額が資産に計上されることとなります。

 

税務上、評価損の損金算入が認めれる事由は、①災害により著しく損傷したこと、②一年以上にわたり遊休状態にあること、③本来の用途に使用することができないため他の用途に使用されたこと、④所在する場所の状況が著しく変化したこと、⑤これらに準ずる特別の事由のいずれかが生じたことに限られています。

 

企業会計上は、電話加入権について、経済的価値の減少として減損損失を計上したとしても、税務上では当該価値の減少は上記の評価損の要件に該当しないため、評価損を損金算入することが認められていません。

 

したがって、電話加入権を損失計上するには、原則として解約又は売却の事実が必要となります。

 

参考

法人税法第三十三条、法人税法施行令第六十八条

 

 

(掲載日:2014年10月1日)

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