お役立ちコラム

赤字の場合の復興特別法人税の申告書の提出

当社は赤字ですが、赤字の場合は復興特別法人税は発生しないと聞きました。この場合も復興特別法人税の申告書を提出する事になるのでしょうか。

ご指摘の通り、所得がないため法人税が発生しない法人は原則として、復興特別法人税(以下「復興税」)も納付する必要がありません。

申告書の提出については、次のいずれかを選択することになります。

①申告書は提出しない。(=ケース①)

②法人税及び復興税を共にゼロとして申告書を提出する。(=ケース②)

下記の様に①・②のいずれを選択するかで、加算税の取扱いが異なる場合があるので

ご注意下さい。

《加算税の取扱い》

当初赤字で復興税がない場合も、その後の税務調査により、法人税の所得が発生する場合があります。

この場合には、法人税の発生にともない復興税も発生します。

この追加的に発生する復興税に関しても、下記の加算税が課されます。

上記①の場合:

⇒復興税に関しては申告をしていない為、15%の無申告加算税が課されます。

上記②の場合:

⇒単に申告額が少なかったという取扱いになり、10%の過少申告加算税で済みます。

※ 加算税とは

税務調査により申告すべき税額が少なかったり、申告自体をしてない場合は次の加算税が通常の税額に追加で課されます。

 ・申告自体をしていなかった場合:無申告加算税=原則として納付税額×15%

・申告額が少なかった場合:過少申告加算税=原則として追加税額×10%

後々のリスク軽減のため、赤字の場合でも復興税の申告書をゼロで提出する事をお勧めします。

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