お役立ちコラム

永年勤続者への旅行券が給与課税対象にならないか心配です。

永年勤続者に対しての表彰制度を設けようと思っております。

表彰に際しては5年目、10年目、20年目、30年目の者について旅行券を贈呈する予定でおります。こちらについては特に給与課税等の問題は生じないという理解でよろしいでしょうか。

まず、使用人が受ける経済的利益については原則として給与として課税されることになります。とはいえ、このような表彰は雇用定着の観点から各社で一般的に行われていることであり、このようなものにまで課税することは適当でないとの配慮から次の要件のいずれにも該当するものについては、給与として課税されないこととされています。

(1)旅行、観劇等の招待、または記念品等(現物にかえて支給する金銭は含まない)の支給であること

(2)その利益の額が、その役員または使用人の勤続期間等に照らし、社会通念上相当と認められること

(3)おおむね10年以上の勤続年数の者を対象とし、かつ、2回以上表彰を受ける者については、おおむね5年以上の間隔をおいて行われるものであること

御社の場合は、5年目の方に対する表彰については上記の要件を満たしていないため、給与として課税する必要があります。また、旅行券のように換金可能なものについては金銭を支給したのと同様であることから、原則給与として課税されることになります。ですので、10年目以降の表彰者についても、給与として課税されないためには、おおむね1年程度の期間内に旅行をしてもらい、その事実を証明できる書類等の提出をしてもらい保管しておくことが必要です。

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