特定退職金共済のメリットデメリットとは

近年、iDeCoなどの影響もあり、退職金制度に興味をもつ会社も増えてきていますが、特退共も退職金制度の一種です。特退共は「特定退職金共済」の略で、特定退職金共済団体が行う退職金共済事業のことを指します。特退共を契約している企業に加入している従業員（被共済者）が退職すると、退職一時金や退職年金などが支払われる制度です。特退共に加入する際の会社のメリットとしては、①資本金や従業員の条件がない、②手軽に退職金制度を導入でき人材確保につながる、②外部積立のため社内積立に比べ一定の信頼感がある、③独自で退職金制度を運用するより事務負担が軽い、④掛金が非課税、⑤少額の掛金から始められる、⑥短期間の加入でも給付される、などが挙げられます。デメリットとしては、①掛金の減額変更は従業員の同意などが必要、②退職事由で退職金の額や期間に差をつけられない（退職金の減額には制約があり、仮に認められても掛金の返還はされない）、長期間加入しないと掛金を上回る給付は受けられない、などがあります。

また、似たような退職金・年金制度で中退共（中小企業退職金共済制度）というものがありますが、特退共と中退共では実施主体が異なりますし、給付の面でも違いがありますので、導入の際にはよく比較して決める必要があるでしょう。

執筆者：宮本