お役立ちコラム
アウトソーシングに関する参考書籍 6選
会社業務のアウトソーシングを考えるとき、皆さんはどのような資料を参考とされるでしょうか? 今では多くの比較・紹介サイトがあり、アウトソーシング企業のサービス内容を知ることができますが、そもそもアウトソーシングをどのような理由や目的で活用すべきなのか、総論として参考となるような書籍類はあまり多くはありません。まして大型書店などでも、実践的なアウトソーシングの参考となる本はなかなか見つからないのが現状です。 今回は、アウトソーシングに関する書籍を6冊選出してみました。経理や人事業務のアウトソーシングを検討する際の参考となれば幸いです。
※評価項目について:(もちろんこれは独断と偏見です)
・ボリューム: | ここではページ数だけではなく、文字数や図表などを含めたボリューム感を表しています。ボリュームが多すぎても読みやすさに影響します。 |
・読みやすさ: | 全体的な文章構成、図表解説の多さ、文脈などから読みやすさを表しています。 |
・専門性: | 専門用語の出現率を元にしています。専門性が高ければより高度な内容にはなりますが、万人に読み応えを与えるわけではありません。 |
1.経理業務のBPO活用のススメ ~ 新しい経理部門が見えてくる50のポイント
概説:
経理業務のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の活用方法について、アウトソーシング会社を経営する著者がケーススタディ形式で詳しく解説。コロナ禍におけるリモートワーク、クラウドサービスの活用、DX(デジタルトランスフォーメーション)促進との関連など、最新のアウトソーシング事情を絡め、読みやすい内容となっています。初心者にはもちろん、事例集を多く取り上げた各論を掘り下げているため、すでにアウトソーシングを導入し経験済みの方にも向いています。
章立て:
- 第一章 BPOとはなんぞや?
- 第二章 BPO活用事例集
- (1)BPOを導入する背景
- (2)BPO導入のメリット
- (3)BPOの現場
- (4)BPO活用時の失敗や検討課題
- (5)BPOの具体的活用事例
出版社: | 税務研究会出版局 |
発行年: | 2023年 |
著者: | 中尾 篤史 |
製本サイズ: | 横書き左開き A5判 |
ボリューム: | ★★★★☆(260ページ) |
読みやすさ: | ★★★★★ |
専門性: | ★★★★☆ |
2.アウトソーシング ― 巨大化した外注・委託産業
概説:
著者は元三菱総合研究所会長の故牧野昇氏。出版年は1997年と古いですが、アウトソーシングという業態が現在に至るまでの在り方や推移に対する先見性は、今でも色あせることはありません。海外事例に基づくアウトソーシングの歴史から始まり、その目的やメリット、将来に向けた高度化などは現在でも十分読み応えのある内容となっています。むしろアウトソーシング業を提供する側にとってのバイブル的な存在かもしれません。
章立て:
- プロローグ: アウトソーシングの発展プロセス
- 第一部:最適の企業形態を実現するアウトソーシング
- 第二部:アウトソーシング活用戦略のケース・メソッド
- 第三部:座談会/アウトソーシング最前線
出版社: | 経済界 |
発行年: | 1997年 |
著者: | 牧野 昇 |
製本サイズ: | 縦書き右開き B6判 |
ボリューム: | ★★★☆☆(211ページ) |
読みやすさ: | ★★★★★ |
専門性: | ★★★☆☆ |
3.実例でわかる 経理アウトソーシングの実務
概説:
こちらの書籍は冒頭にもある通り、戦略的にアウトソーシングを検討する経営者向けに、会計・税務のフレームワークを解説するとともに、プロセスごとのアウトソーシング方法や留意点を、事例を交えて紹介・説明する内容となっています。会計・税務における専門用語の説明なども詳細にあり、440ページとかなりのボリュームになっているため、電車の中で立ち読みするには少々向いていませんが、経理業務のアウトソーシングにおける辞典のような役割としてお勧めです。
章立て:
- 第一編 経営と会計
- 第二編 経理アウトソーシングの決定
- 第三編 取引処理業務のアウトソーシング
- 第四編 財務報告業務のアウトソーシング
- 第五編 税務のアウトソーシング
- 第六編 エコノミー&ビジョン
出版社: | 中央経済社 |
発行年: | 2013年 |
著者: | APアウトソーシング(編集) |
製本サイズ: | 横書き左開き A5判 |
ボリューム: | ★★★★★(440ページ) |
読みやすさ: | ★★★☆☆ |
専門性: | ★★★★★ |
4.限界からのBPO戦略
概説:
NTTデータによるBPOベンダーとして挑むべく、実践的なアプローチとして事例を交えつつもアウトソーシングサービスを分類整理した内容となっています。SIベンダーとして数多くの顧客と培ってきた様々な財産を背景に、企業の課題解決に向けたBPOの活用・展開方法は、よりリアルで実践的な印象を与える内容となっています。
章立て:
- 序章 「分業」と「BPO」
- 第1章 成熟社会におけるBPOの役割
- 第2章 BPOにおけるコストの捉え方
- 第3章 BPOの実践的アプローチ
- 第4章 企業の課題をいかに解決するか
- 第5章 その先のパートナーシップへ
出版社: | ダイヤモンド社 |
発行年: | 2011年 |
著者: | BPOビジネス研究会 |
製本サイズ: | 縦書き右開き B6判 |
ボリューム: | ★★★☆☆(200ページ) |
読みやすさ: | ★★★★★ |
専門性: | ★★★★☆ |
5.経理・財務・人事アウトソーシング・マニュアル
概説:
経理・財務、給与計算、社会保険業務のアウトソーシングに特化した内容となっており、少し古い発行年のため税制等の箇所は見直しが必要ですが、包括的な内容は現在の考え方と変わりなく、遜色ありません。アウトソーシングの導入にあたって、情報セキュリティや契約書類などまで盛り込んでいる点は珍しく、初めてアウトソーシング導入を検討される方にお勧めです。
章立て:
- 第1章 アウトソーシングの基礎知識
- 第2章 アウトソーシング導入の効果
- 第3章 経理・財務をアウトソーシング
- 第4章 給与計算をアウトソーシング
- 第5章 社会保険業務をアウトソーシング
- 第6章 拡大するアウトソーシング業務
- 第7章 シェアードサービスセンターの設置
- 第8章 情報セキュリティ対策
- 第9章 税務上の注意事項
出版社: | 中央経済社 |
発行年: | 2005年 |
著者: | 中央青山PwCコンサルティング株式会社 |
製本サイズ: | 横書き左開き A5判 |
ボリューム: | ★★★★☆(212ページ) |
読みやすさ: | ★★★☆☆ |
専門性: | ★★★★☆ |
6.BPOの導入で会社の経理は軽くて強くなる
概説:
本書は、前著であるアウトソーシング時代の経理(2013年発行)を時代に合わせてブラッシュアップし、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の概念をもって経理の合理化をすすめましょう、という内容になっています。経理業務のBPOに特化したノウハウ本であり、スピードアップ、品質向上、標準化などがテーマとなっています。
章立て:
- 序章 アウトソーシング興隆の背景
- 第1章 BPO導入の目的
- 第2章 経理部門がかかえる課題
- 第3章 BPO事業者選定時の留意点
- 第4章 BPO導入のステップ
- 第5章 BPOの導入事例
- 第6章 経理業務の標準化・早期化
- 第7章 経理業務の標準化・早期化事例
出版社: | 税務経理協会 |
発行年: | 2015年 |
著者: | 中尾篤史、平野真理子、伊藤元一他 |
製本サイズ: | 縦書き右開き B6判 |
ボリューム: | ★★★★☆(222ページ) |
読みやすさ: | ★★★★☆ |
専門性: | ★★★★☆ |
まとめ
一言でアウトソーシングといっても、経営戦略として画策する類と、一部門がコストダウンを目的に導入検討する場合など、その形態も様々にあります。この場合、書籍の分類もまちまちで、大きな書店でも「アウトソーシング専用コーナー」などはなく、なかなか探すことも難しいと思われます。インターネットで購入するにも、中身がよくわからないのでどの本を参考にすればよいのかわからない、ということが多いのではないでしょうか。
今回はアウトソーシングの本をご紹介いたしました。参考となりそうな本がございましたら是非ご一読を。
以上
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