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年末調整ってなぜする必要があるの?

年末になると会社から扶養控除等申告書の提出を求められますが、なぜ年末調整は必要なのでしょうか?

 年末調整とは、1年間に給与から源泉徴収した所得税額等の合計額と1年間に納めるべき所得税額等を一致させる手続きのことをいいます。

会社から支払われる給与からは、所得税額等を差し引いた金額が支給されており、会社は皆様から徴収した所得税等を、皆様に代わり国(税務署)に納付しています。年末調整では、その既に納めている所得税額等と実際に納めるべき所得税額等に差がないかを、「給与所得者の扶養控除等申告書」「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」を元に計算し直しています。扶養控除や生命保険料、地震保険料の控除、住宅借入金等特別控除などがあると、実際に納めるべき所得税額等が変わってくるためです。

 年末調整の結果によっては、既に支払った所得税額等の一部が還付される可能性もありますので、提出期限までに申告書を提出し、会社で年末調整をしてもらいましょう。

 なお、年末調整の対象となる給与は「支払うべきことが確定した給与」ですので、未払であっても対象となる給与に含まれます。逆に前年に未払となっている給与を今年になって払っても対象となる給与には含まれません。また、2000万円を超える給与の支払を受ける人は、年末調整の対象とはならず確定申告が必要となりますのでご留意ください。

<参考文献等>

国税庁HP No.2662 年末調整のしかた

https://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2662.htm 

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