お役立ちコラム
専属的下請け業者の従業員に対する報奨
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社内表彰会で協力業者(専属的に弊社業務を継続的に行う下請け業者)の社員を招待して表彰するために、旅費(宿泊費含む)と日当を支給します。下記①~②についての会計処理について教えてください。 ①当社従業員の旅費規程に準じて協力業者社員へ直接支給する旅費の処理 ②当社旅費規程に準じて支給する日当 ③協力業社員への報奨金(金銭にて協力業者従業員へ支払う)
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租税特別措置法関係通達61の4(1)-18において、下記定めがございます。
(下請企業の従業員等のために支出する費用)
次に掲げる費用は、業務委託のために要する費用等として交際費等に該当しないものとする。
(1) 省略
(2) 法人の工場内、工事現場等において、無事故等の記録が達成されたことに伴い、その工場内、工事現場等において経常的に業務に従事している下請企業の従業員等に対し、自己の従業員等とおおむね同一の基準により表彰金品を支給するために要する費用(3) 法人が自己の業務の特定部分を継続的に請け負っている企業の従業員等で専属的に当該業務に従事している者(例えば、検針員、集金員等)の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用を負担する場合のその負担額
(4) 省略
まず、ご質問①②ついては、上記(3)における「通常要する費用」に該当すれば、交際費ではないと考えられます。「通常要する費用」とは、自己の従業員のために支給したとしても、給与としての課税がされない費用に相当するものをさしますので、貴社の旅費規程に基づいた金額で旅費の精算をするのであれば、それは「通常要する費用」に相当するもの考えられますので、交際費に該当しないと考えらえます。
また旅費規程に基づいた日当であれば、自己の従業員のために支給しても給与課税の対象とならないため、同様に「通常要する費用」に含まれ、給与課税の対象にならないと考えられます。以上より、①②については、交際費ではなく通常経費(業務委託費等)として処理されるものと考えられます。
次に、ご質問③については、貴社業務の下請けを専属的に継続して行っているため、上記(2)より、基本的には交際費に該当しないものと考えられます。 こちらも①②と同様、通常経費での処理で問題ありません。
ただし、専属的に継続して貴社の下請けをしていない下請け業者への報奨金の支払いの場合は、あらかじめ定められた一定の表彰基準によって、協力業者へ金銭または少額物品を交付するのであれば交際費の対象にはなりませんが、協力業者の従業員へ交付する場合、又は協力業者へ物品(少額物品を除く)を交付する場合には交際費として取り扱われることになりますので、その点ご留意が必要です。
<参考文献等>
租税特別措置法関係通達61の4(1)-18
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/sochiho/750214/08/08_61_4a.htm
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