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派遣会社への業務委託料、源泉徴収は必要?

この度、弊社で人材派遣を利用することになりました。派遣社員を雇用する場合、派遣会社に支払う業務委託料に対して源泉徴収の必要はあるのでしょうか?

源泉徴収とは、労働者に給与を支給する会社側が、給与所得者本人に替わって、給料から所得税を天引きし、国に納める制度です。貴社は、派遣社員に指揮命令を行う立場にありますが、派遣社員と雇用契約を締結しているわけではありません。派遣社員はあくまで派遣会社に雇用されており、派遣社員に賃金を支払うのは派遣会社です。したがって、源泉徴収義務は労働者を雇用して賃金を支払う会社(派遣元である派遣会社)にあり、派遣契約を結んで指揮命令を行う会社(派遣先である貴社)にはありません。

尚、将来、貴社がその派遣社員を直接雇用するとなった場合は、源泉徴収の義務が発生します。なぜなら、派遣社員は派遣元の派遣会社から、新たに、派遣先である貴社に転職する形になるからです。貴社はその社員が派遣社員であった期間(派遣元から給与が支払われていた期間)の源泉徴収票を提出し、年末調整処理に反映させることになります。また、今まで派遣元で加入していた社会保険や労働保険等も貴社で加入手続きをすることになります。

執筆者:武井

 

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