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経理部門の付加価値を上げる経理部門の付加価値を上げる

問題解決

経理部門の役割の変化

 経理部門は、組織が順調に成長しているときは必要な業務をこなすことが要求されましたが、成熟化してくると経営管理の重要性が増すため、付加価値業務の実施が要求されるようになってきました。つまり、決算処理を確実に実施するという役割だけではなく、業績管理情報やリスク情報管理、財務・税務に関わるコストを最小化するための戦略立案、事業再編スキームの立案など、ビジネスの意思決定に個別に係ることが求められているといえます。また、経理部門が行うべき「必要な業務」についても、企業を取り巻く状況が変化し、四半期開示の早期化やJ-SOX、IFRS対応など従来必要なかったことを実施しなければならない事項が増加しており、業務負担は重くなってきています。
 このような背景から会計・税務オペレーション業務の効率化が要求されるようになってきており、品質確保と低コストを両立させなければならなくなってきています。迅速かつ正確な会計処理を行うためには、高度に標準化され品質が確保された仕組みが必要であり、また、会計・税務オペレーション業務を効率的に運用することで、人員を付加価値業務に振り分けることが可能になります。


効率的なオペレーションの確立

 効率的なオペレーションを確立するために必要なポイントは、業務プロセスの効率化とリソース配分の効率化の2つになります。
 業務プロセスの効率化とは、プロセスそのものに無駄がなく、結果として集計される財務情報の品質が担保することを意味します。たとえば、同一の業務処理について部門によってバラバラなやり方で業務を実施している場合には、全体から見れば部門によって属人化していることを意味しており、業務が非効率であることに加えて数値の正確性を担保できなくなります。なお、業務プロセスの効率化のためには、無駄を省いた業務工程を事前に構築し、各作業工程における業務を標準化して、次の工程にスムーズに仕事を引き渡す仕組みを作る必要があります。
 リソース配分の効率化とは、最適な人員数や業務の実施に必要な能力を持つ構成人員により業務が実施され、運用コストが極小化された状態を意味します。
 これらのポイントを考慮した上で効率的なオペレーションの運用をするためには、無駄を省いた業務工程を事前に構築し、各作業工程における業務を標準化して、次の工程にスムーズに仕事を引き渡す仕組みを作る必要があります。この仕組化を推進するためには、標準化、簡素化、平準化、システム化の視点が重要です。


仕組化のための視点

①標準化
時間を要したり仕事を中断したりする例外的な処理を削減します。また、繰り返しで専門性をそれほど必要としない活動と、頻度は少ないが高度な専門性を必要とする活動に区分し、それぞれの担当を分けたり、共通の業務プロセスを集約化します。

【実施例】
・属人化しているノウハウ・判断軸についてルール化を実施
・業務フローの整備
・日常的なモニタリングの整備

②簡素化
有用性は低いが伝統的に引き継がれている業務の廃止を検討します。また、管理している対象自体をなくすことができない場合、取り扱う情報の限定や一括処理化を行います。

【実施例】
・有用性は低いが、伝統的に引き継がれている業務の廃止(小口現金の廃止、銀行口座の統合、手形取引の廃止など)
・取り扱う業務の限定や簡素化
・業務が目的に会っているかをチェックするなどして不要業務を廃止する。
・必要に応じて共通の業務を集約する。
・繰り返しで専門性を必要としない活動と、頻度は少ないが高度な専門性を必要とする活動とを区別する。

③平準化
特定の時期や特定の担当者に集中するような業務プロセスを洗い出し、分散化を図ります。
【実施例】
・担当者の負荷ピークの異なる業務を組み合わせる。
・特定の時期や特定の担当者に集中するような業務プロセスを洗い出して分散化を図る。
・業務方法を見直すことにより業務負荷を分散させる。

④システム化
 ITを利用して作業時間の短縮化を図ります。
【実施例】
・手作業で行っている業務についてシステム化を推進する。
・複数のシステムにまたがっている処理の統合を行う。


問題解決

現状把握と目標設定

①現状把握
改善の対象とする経理業務について「いつ」「誰が」「何を」「どれだけの時間をかけて作業しているか」業務リストを作成して把握します。業務の現状を可視化するとともにプロジェクトの目的に対して阻害要因となる事項を業務プロセスや情報システム、組織等の様々な面から洗い出しを行います。
図1
図2

②目標設定
業務改善の目標として管理可能な単位まで分解し、業務リストや担当者へのヒアリングを基に業務改善の余地がどこにどの程度あるかという観点から仮説、各業務領域の目標を設定します。

③ギャップの整理
業務領域ごとに設定した目標と現状の日数を比較してギャップを整理します。


業務改善施策の検討

①ボトルネックの抽出
整理したギャップを埋めるべく、業務改善施策の検討を行います。まず、最初に目標達成の阻害要因となっている業務プロセス(ボトルネック)を抽出します。

②対応策の検討
実施時期の前倒し、作業の所要時間短縮、作業の一部を切り離し分散化などの手段により改善策の検討を行います。
図3


施策の実行と効果検証

①施策の実行
各種施策について担当者を決め、完了するまでの詳細なタスクとスケジュールの設定を行います。他部門や外部との調整を要するものなど、必要な調整事項やそのための準備等も含めてタスクを設定します。

図4

②効果検証
実施した施策の効果を検証します。検証の結果に基づき今後の施策について議論を行い、次のアクションにつなげます。


問題解決

アウトソーシングの検討

 経理の業務改革は自社で行うのが一番ですが、内部で改革を行うことは簡単なことではありません。多くの企業の場合、業務改革能力を持つスタッフがいない、業務が属人化・ブラックボックス化しており現状把握が困難、日常業務に追われ業務改革に時間が取れないなどの事情を抱えており、社内での実施は大変難しいことだと言えます。
このように、内部で業務改革を行うことは大変なことであるため、外部のアウトソーサーに任せることができるのであれば、その方が効率がいいと言えます。

図5
経理アウトソーシング可能な範囲

 経理アウトソーシング可能な業務範囲は次の通りとなります。
図6
 経理業務のうち、金融機関との折衝や会計・税務処理方針等の判断など、折衝業務や判断業務以外のほとんどのものが定型業務であるため、業務の多くは外部のアウトソーサーに任せることが可能です。
 外部のアウトソーサーに業務改革を任せるということになれば、①データ処理業務 ②定型的報告業務の一部若しくは全部を依頼することにより、会計・税務オペレーションの改善を図っていくということになるでしょう。
ただし、後述するように、そのアウトソーサー自体に業務遂行能力があるかどうか、一定のコストで業務運用できるかどうか見極めることが大切です。


経理業務アウトソーサー選定と利用における留意事項

 経理のアウトソーサーを選定する際に考慮すべき項目は次の点になります。
① 会計税務等の高度な専門的スキル、安定した品質を維持できる組織力。
 アウトソーサーの業務知識やスキル、チェック体制が不十分の場合、チェック者を社内におかなければならなくなるなど、業務品質やスピードを確保できず、かえってコスト高になってしまいます。アウトソーサー自体が高い専門知識を有しているかどうかは選定における重要なポイントです。
 一般的に会計事務所が経理のアウトソーサーである場合、専門的スキルは有することが多いと言えますが、一方で②の一定の業務量を処理できる組織力を有するかどうかが課題となるケースが多いと思われます。

② 一定の業務量を処理できる組織力。
 アウトソーサーが小規模である場合、一定以上の業務量を処理することが難しいことが多いため、安定した業務運営が可能であるか確認する必要があります。経理業務は月末月初や決算時に業務量のピークを迎えるため、一定期間内にどの程度の業務量を処理できるかがポイントになります。
 例えば、大手人材会社が経理のアウトソーサーとなる場合、対応できる可能性は高いと思われますが、一方で①の高度な専門的スキルやチェック能力を有するかどうかが課題となると考えられます。

③ 他のアウトソーサー(税理士事務所、監査法人等)との連携をとり、業務を処理する能力。
広範囲な経理業務をアウトソーシングする場合は、アウトソーサー間の綿密な連携が重要となります。アウトソーサー間の協力体制が不十分である場合、かえって連絡や調整に手間がかかり、コスト高になることもあり得ます。
経理アウトソーシングであれば、給与計算、売掛・買掛管理などの取引処理業務を行うアウトソーサーと経理のアウトソーサーとの連携は不可欠であるし、税務申告書のドラフト作成などは税理士事務所との連携が必要となります。また、財務諸表が監査される場合、監査法人との協力体制も必要になる可能性もあります。

④ アウトソーサーにおける業務の柔軟性。
 広範囲な業務をアウトソーシングする場合、アウトソーサーにおける業務の柔軟性が必要となります。特に業務改革を外部のアウトソーサーに求める場合、個社の実情に合わせた柔軟な業務設計や業務対応ができることが必要になります。

⑤ アウトソーサーの情報セキュリティーの安全性。ISO27001等の認証の有無。
 アウトソーサーに情報セキュリティ事故が起こった際には自社の経営にもその影響が及ぶ可能性があります。そのため、アウトソーシングを検討するにあたっては、アウトソーサーの情報セキュリティの安全性を確認する必要性があります。具体的にはISO27001等の認証を有しているかをその判断基準とすればよいでしょう。


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