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シェアードサービスで経理をするメリット・デメリット-依頼ポイントも紹介

経理業務の効率化のため、外部委託を考えている経理担当者もいるでしょう。外部委託の方法のひとつとして挙げられるのが「シェアードサービス」です。シェアードサービスとはどのようなものなのでしょうか。今回は、シェアードサービスの概要、アウトソーシングとの違い、メリット・デメリットなどについて解説いたします。

 

 

シェアードサービスとは?

 

「シェアードサービス」は、自社のグループ企業に業務委託する方法です。A社とB社(A社のグループ会社)の経理業務を、C社(A社のグループ会社)へ委託するイメージです。似た言葉に「アウトソーシング」もありますが、外部企業へ業務委託することを指すため、シェアードサービスとは意味が異なります。

 

 

シェアードサービスのメリット・デメリット

 

経理業務でシェアードサービスを利用する場合、効果が期待できる反面、課題もあります。外部企業へアウトソーシングする際と比べ、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

 

【メリット】

 

■ 意思伝達がしやすい

グループ企業への業務委託なので、マニュアルが統一されていれば意思伝達しやすいでしょう。委託元と委託先で使用している会計ソフト・システムが同じであれば、委託先へパソコンの操作方法を説明する時間が短縮できます。企業によっては、同じ建物内にシェアードサービスの部署が設置してあるケースもあります。

 

■ 責任の所在を明確にできる

グループ企業内への業務委託なので、責任の所在も分かりやすいといえます。アウトソーシングであれば外部要員が関わるため、責任の所在がうやむやになるケースがあります。シェアードサービスを利用すると外部要員が関わらないため、責任の所在が見えやすく、問題が生じた場合にスムーズに対処しやすいでしょう。

 

【デメリット】

 

■ 外部の考えが入りづらい

グループ企業への業務委託なので、外部の考えが入りづらいのが難点です。グループ企業内で定められているマニュアルを遵守しすぎたあまりに、委託した業務が効率的に進まなくなる恐れがあります。シェアードサービスを効率的に使うには、外部の考えも参考にしながら経理業務を行うことが大事です。シェアードサービスの利用でも、経理業務の進行状況を定期的にチェックする必要があります。

 

■ 「グループ企業の業務」という緩みが出る恐れ

「グループ企業から委託された業務だから…」という理由で、緩みが出るケースもあります。委託先に元上司が出向していた経緯や委託先の立場が委託元より強い状況である場合など、経理業務で不手際があっても注意しづらいことがあるかもしれません。委託先へ注意しない(注意できない)状況が続くと経理業務の質が落ちる恐れがあります。

 

■ アウトソーシングと比べコストが高い

自社内に外部委託先を設立すると、従業員の福利厚生費・教育費・賃料などが発生します。自社グループ企業内の費用を基準としたシェアードサービス時とアウトソーシングを外注した時とを比べると、コストがかさむ場合があります。

 

 

経理のシェアードサービスを導入する際のポイント

 

経理のシェアードサービスを導入することになった場合、以下3つのポイントに留意しましょう。

 

1 コストを考えてから導入する

アウトソーシングと比べ、費用が安くなる仕組みをつくってから導入することが重要です。現段階では、アウトソーシング利用時の費用が安かったとしても、長期的にはシェアードサービスを利用したときのほうがコストが抑えられるように進めなければ意味がありません。

また、シェアードサービスで費用がかさむと、自社グループ企業の一部を閉鎖したり売却したりしなければならないケースもあるため、コスト(予算)の計画は重要なポイントです。

 

2 モチベーションを低下させない仕組み作り

同グループ企業の業務を継続的にこなすことで、仕事に対するモチベーションが下がるケースがあります。そのため、やる気を高める仕組みをつくることは大切です。「委託先と頻繁にコミュニケーションをとる」「委託先のモチベーションが上がる人事評価システムをつくる」など、改善できる箇所はきちんと対処しておきましょう。

 

3 運営方式を決める

シェアードサービスの運営方式を決めることも大事です。運営方式には「本社で管理」するケースと、「子会社として管理する」ケースがあります。業務効率やシェアードサービスにかける予算によって選択肢は変わります。どちらのメリットが大きいかを考えたうえで、管理方法を選びましょう。

 

 

まとめ

 

シェアードサービスを利用して経理業務を効率化できた企業がある一方、効果が出なかった企業があるのも事実です。シェアードサービス利用時の効果を高めるには、「どの業務を委託するか」「どのように委託先を運営するか」が重要なポイントとなります。場合によっては、一部分の経理業務だけを委託するという方法も有効です。まずは最大限の効果を発揮する方法を考えてから、シェアードサービスを活用してみることをおすすめします。

 

関連サービス

経理アウトソーシング│会計・経理や人事・労務のアウトソーシング

 

執筆者:海野

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