お役立ちコラム
「勤務間インターバル制度」と「時間外労働等改善助成金」
2018年に成立した、いわゆる「働き方改革法案」に伴い、努力義務が掲げられた「勤務間インターバル制度」。
今回は本制度と、その導入で受けることのできる助成金についてご紹介いたします。
勤務間インターバル制度とは
勤務終了から次の勤務開始まで、一定の休息時間を設ける制度です。
勤務終了時刻によって次の勤務を開始する時刻を繰り下げるもので、例えば夜遅い時間まで勤務した場合、翌日の始業時間を繰り下げることになるため、労働者はしっかりと休息をとることができます。
平成30年に成立したいわゆる「働き方改革法案」でも、この制度の普及・推進が目指されています。
勤務間インターバル制度のメリット
企業側:休職・離職の予防
休職時間を確実に設けることで、体調不良やメンタル不調による休職・離職を防ぐことができます。
従業員側:ワーク・ライフ・バランスの確保
一定の休職時間を設けることで、生活時間や睡眠時間の確保につながります。
平成30年度「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)を受けるには
休息時間が「9時間以上11時間未満」又は「11時間以上」の勤務間インターバルを導入すると最大約50万円の助成金が支給されます。
労働管理用機器やソフトウェアをはじめ、労働能率を増進するための設備・機械等の導入など、さらなる労働環境改善に役立てることができます。助成金交付までの手順は以下の通りとなります。
(1)次のいずれにも該当する事業主かどうかを確認
A.労働者災害補償保険の適用事業主であること
B.勤務間インターバルを導入していない、若しくは下記の勤務間インターバルを導入していること
・ インターバルが9時間未満のもの
・ 全従業員の半数以下を対象としたもの
C.資本または出資額と常時雇用する従業員が一定以下であること
(例:サービス業であれば資本金または出資額が5,000万円以下、常時雇用の労働者が100人以下など業種によって条件があります。)
(2)交付申請書の提出(平成30年12月3日必着)
(3)支給対象となる取り組みの実施
・ 労務管理用ソフトウェアの導入更新
・ 外部専門家(社会保険労務士・中小企業診断士など)によるコンサルティング
・ 就業規則・労使協定の作成・変更
など10項目から1以上を実施
(4)支給申請書の提出(事業実施期間が終了した日から1か月以内または平成31年2月15日のいずれか早い日必着)
(5)支給または不支給の決定・通知、助成金の受取
勤務間インターバルを導入することで業務の効率化を進めるきっかけとなり、従業員の方々にとっても安心して働き続けられる職場つくりに繋がります。
CSアカウンティングでは制度の導入・助成金申請のコンサルティングから、申請の手続きまで承ております。「勤務間インターバル制度」をご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。
(広報誌「こんぱす」2018年秋号より抜粋)
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執筆者:中谷
(c)123RF
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