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ホーム > vol.17 退職後の社宅の明け渡しの時期の取り扱いは?
今回の人事労務・給与計算・社会保険アウトソーシングお役立ち情報は退職者の社宅の明け渡しについてです。
Q・定年退職になる社員から退職後の転居先が決まらないので、しばらくの間、現在の社宅に住みたいといわれています。このようなケースがなかったため、明け渡し期間等の詳細を規程に明記していませんでした。どうすればよいでしょうか。
A・まず、社宅の使用関係を確認ください。退職後いつ社宅を明け渡さなければならないかについては,社宅の使用関係が賃貸借に当たるか,使用貸借に当たるかによって異なってきます。一般的には,賃貸借とは,使用料を払って他人の物を利用する契約であるのに対し,使用貸借とは,無償で他人の物を使わせてもらう契約です。
社宅の使用関係が賃貸借に当たる場合は,借地借家法の適用になります。同法により会社からの解約申入れは6か月前に行わなければならず、正当な事由があると認められる場合でなければ、解約の申し入れをすることはできません。(借地借家法28条)一方で使用貸借と認められる場合は,民法の適用になります。労働の提供という目的で貸与されたものと解されますので労働契約終了時に明け渡すことになります。
問題は,労働者が定年などにより従業員でなくなったこと自体が賃貸借解約申入れの「正当な事由」になるかということです。ここでいう正当な事由とは社会通念上妥当と認められる程度の理由が必要となります。定年退職という理由のみでの解約の申し入れは社会通念上妥当と認められる理由にはならず、具体的に、他の従業員が入居を必要としているなどの状況が付け加えられないと、認められないケースが多いようです。そもそも、社宅の貸与は従業員に対し,使用者に労働を提供することを容易にする目的で貸与されたものと解されますから,通常は,労働契約終了時に明渡しの義務を負うことになります。
しかしながら、社宅の使用料は,民間の賃貸住宅の家賃よりも安く設定されているため,賃貸借なのか,使用貸借なのか,すぐに判断できない場合が多いともいえます。
有力な考え方は,一般の相場と比べて,賃料と認められない程度に安い場合には使用貸借であり,借地借家法の適用はないとするものです。判例では、社宅の使用料が会社の負担している地代の約半額で,実質的には家屋の維持修繕費用の一部に充てられる程度のものである場合や,同じ立地条件の建物の家賃に比べると,使用料が数分の一である場合は,賃貸借には当たらないとしています。
社宅の明け渡しについては、通常30日から3ヶ月程度の明け渡し猶予期間を設けているケースが多いです。一般的な猶予期間を考慮して、対象者と協議されることをお勧めします。また、これを機に、社宅の規程や、従業員との使用契約を見直し、退職時のトラブルを未然に防ぐ準備をされてはいかがでしょうか。
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