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事業年度が1年に満たない場合の償却率等について

固定資産台帳を確認していたところ、システムから印刷した償却率が、耐用年数省令記載の償却率と異なるものが記載されていましたが、なぜでしょうか。 当社は3月1日設立の3月決算法人です。

耐用年数省令における償却率は、事業年度が1年の場合を基準として定められています。したがって、事業年度が1年に満たない場合は、償却率等を調整する必要があります。

具体的な償却率の調整は、下記の通りとなります。

(1)旧定額法、定額法又は定率法

耐用年数省令別表第九又は十に定められた償却率 × 事業年度の月数 ÷ 12(小数点以下3位未満端数切上)

(2)旧定率法

法定耐用年数 × 12 ÷ 事業年度の月数(1年未満端数切捨)

(例)設立1期目の事業年度:3月1日~3月31日、

事務机500,000円(耐用年数8年、200%定率法(償却率0.250))の場合の減価償却費

①0.250 × 1 ÷ 12 = 0.0208… → 0.021(小数点以下3位未満端数切上)

②500,000 × 0.021 = 10,500

<<参考条文等>>

国税庁HP 単体納税に係るその他の取扱い 事業年度が1年に満たない場合の償却率等

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/070622-2/15.htm

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