お役立ちコラム

役員に支給する諸手当と定期同額給与について

役員に対して毎月支給する諸手当(家族手当、皆勤手当、能率給、歩合給、超過勤務手当など)は、定期同額給与に該当しますか。

役員と会社との関係は委任関係であり、使用人と会社との関係は雇用関係です。雇用関係に基づいて使用人に支給する給与は、労働基準法等労働法令の適用であり、超過勤務手当は、当該法令に基づいて会社に支給義務があります。家族手当や皆勤手当は法令上支給義務はありませんが、労働協約あるいは就業規則で給与の一環として支給が定めされていることが多く、使用人が労働者としての立場において受けるものです。一方、役員報酬は、定款の規定又は株主総会等の決議等によって定められるもので、通常金額は包括的であり、本給と諸手当の区別をしません。

税法では、支給時期が1月以下の一定の期間ごとであり、かつ、当該事業年度の各支給時期における支給額が同額の役員賞与は、定期同額給与とされていますので、家族手当のような毎月定額支給されるものは定期同額給与になります。しかし、皆勤手当、能率給、歩合給、超過勤務手当などは、毎月の支給額が同額でありませんので、定期同額給与になりません。



<参考文献等>

『問答式 法人税事例選集』森田 政夫 清文社

国税庁HP タックスアンサー

「役員に対する歩合給(定期同額給与)」

https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/11/15.htm

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